公文書デジタル化を通じた障がい者の職域拡大を目指して:永田町
3月2日午後、原田大二郎参議院議員事務所にて、「国立公文書館のデジタル化(デジタルアーカイブ)推進」に関する意見交換会に出席いたしました。
業務課 課長補佐の阿久津智広氏、内閣府大臣官房公文書管理課 課長補佐 高田まり氏らから概要など説明いただきました。。
参加者は、原田大二郎参議院議員、山本博司前参議院議員、梅津秀宣政策秘書、日本財団 公益事業部 シニアオフィサー 竹村利道氏と元厚労省の障害者雇用課長・福岡労働局長を歴任したさんと当団体金子訓隆代表理事が参加。

現在、日本財団が進める国立国会図書館の蔵書DXプロジェクトでは、多くの障がい者の方々がスキャン作業等で目覚ましい活躍をされています。この成功モデルを他の省庁や独立行政法人へ展開できないか。その第1弾として、日本の歴史的記憶を司る「国立公文書館」の皆様から現状と課題を伺いました。
国立公文書館の役割と重要性
国立公文書館は、国の行政機関等から移管された「歴史資料として重要な公文書」を保存・管理する極めて重要な施設です。
- 目的: 国民共有の知的資源である公文書を適切に保存し、一般利用に供することで、民主主義の根幹を支え、歴史研究や政策決定の透明性を確保することにあります。
- 所蔵規模: 現在約175万冊を所蔵していますが、行政文書のデジタル化率は未だ低く、さらに毎年2〜3万冊という膨大な文書が新たに運び込まれています。
デジタル化に向けた現場の「壁」と運営課題
対話を通じて、デジタル化を外部拠点(障がい者就労施設など)へ展開する上での具体的な障壁が浮き彫りになりました。
- 厳格な環境管理と「美術輸送」のコスト
公文書は極めて繊細です。作業環境には温度や湿度が厳密な維持が求められます。また、文書の移動には一般的な輸送ではなく、振動や衝撃を抑えた「美術輸送」レベルの品質が必須。 - 予算の単年度制
国立国会図書館(国直轄)とは異なり、国立公文書館は独立行政法人であるため、単年度予算の制約を強く受けます。中長期的なランニングコストをどう確保するかが議論の焦点となりました。 - 守秘義務と専門資格
作業員には高度な守秘義務と、文書情報管理士などの専門資格への習熟が求められます。しかし、これは精神障がい者の方々を含め、ステップを踏めば十分に対応可能な領域であるとの見解も示されました。
希望の光:江戸川区の「一般就労化」モデル
こうした課題がある一方で、非常に心強い先行事例も共有されました。
これは「福祉」を「産業」へと昇華させる画期的な試みです。公文書館のデジタル化を推進する上での強力なベンチマークとなります。
今後の展望と決意
私たち「輝HIKARI」としても、単なる作業の代行ではなく、障がい者が「国の歴史を未来へつなぐ専門職」として誇りを持って働ける環境を作りたいと考えています。
「デジタルアーカイブ戦略」が単なる研究資料の整理に留まらず、障がい者の工賃向上と社会参画、そして国民の利便性向上に直結するよう、皆様と連携し、国会等での提言をサポートしてまいります。


国立公文書館(こくりつこうぶんしょかん)を一言でいうと、「国の歴史や重要なルールが書かれた公文書を、未来のために大切に保管・公開している場所」です。
1. 何をしているところ?
主に以下の3つの役割を担っています。
- 保存する: 各省庁で作成された公文書のうち、歴史的に価値が高いと判断されたものを、劣化しないよう専用の書庫で永久に保存します。
- 整理する: 膨大な資料の中から必要なものをすぐに見つけられるよう、目録を作って整理します。
- 公開する: 保存されている資料は、誰でも閲覧できるようになっています。展示会を開いたり、インターネットでデジタル公開したりもしています。
2. どんなお宝(資料)があるの?
教科書で見たことがあるような、日本の歴史を動かした超重要な原本が眠っています。
| 資料名 | 内容 |
| 日本国憲法(原本) | 現在の日本のルールの根本。天皇の署名や御璽(ハンコ)があります。 |
| 終戦の詔書 | 昭和20年、第二次世界大戦を終わらせる際に発せられた文書。 |
| 明治時代の法令 | 廃藩置県や徴兵令など、近代日本が作られる過程の記録。 |
| 江戸幕府の旧蔵書 | 徳川家が持っていた「紅葉山文庫」などの貴重な古本。 |
3. 私たちも利用できる?
「公務員や研究者しか入れないのでは?」と思われがちですが、実は誰でも自由に利用できます。
- 場所: 東京の本館(千鳥ヶ淵の近く)と、つくば分館があります。
- 閲覧: 手続きをすれば、本物の資料(または複製)を手に取って読むことができます。
- デジタルアーカイブ: 現地に行かなくても、スマホやPCから無料で貴重な資料の画像を見ることができます。



