医療的ケア児理解と支援環境改善へ:当事者親子と懇談:永田町

山本博司参議院議員事務所訪問:医療的ケア児支援の進展に心から感謝

8月21日午後、山本博司参議院議員事務所を訪問し、医療的ケア児支援活動の報告と感謝の意を伝えられる機会に恵まれました。

約1年ほど前、さいたま市に住む伊田さんのお母様から、山本博司参議院議員のところへ、医療的ケア児を抱えるご家庭からの切実な相談を受け、この内容について、地元さいたま市の齋藤健一さいたま市議会議員へ相談。

さいたま市内における医療的ケア児への支援について

26日午後、特定非営利活動法人輝HIKARI本部に、齊藤健一さいたま市議会議員にお越し頂き、当団体の金子訓隆代表理事と懇談しました。懇談内容は、さいたま市内における医…

当初は、医療的ケア児に対する理解不足や、支援体制の整備不足など、多くの課題がありました。しかし、山本博司参議院議員、齊藤健一さいたま市議との連携、そして伊田さんのお母様から3度に渉って学校での支援体制、特に校外学習でのケアについて現状を確認しました。


さいたま市内における医療的ケア児の支援について懇談

13日午前、輝HIKARI本部に、さいたま市議会議員の齊藤健一市議にお越し頂き、当団体の代表理事の金子訓隆と懇談いたしました。 懇談内容は、さいたま市内における医療的ケ…

その状況を文科省・厚労省などに支援体制をフィードバックして、着実に状況は改善されてきました。

医療的ケア児の就学生活に対する支援について意見交換

1日、午前中は、さいたま市見沼区にある、片柳コミュニティーセンターにて、市内に在住の医療的ケア児の就学生活に対する支援について相談が行われました。この相談会は、…

さいたま市立の普通小中学校の医療的ケア児への支援について相談:要約

先日、さいたま市の中学校に通う生徒の親御さんから、学校での医療的ケア児の支援について電話相談がありました。この件と対応については、さいたま市議会議員の齊藤健一…

今回、さいたま市でも支援体制が拡充されつつある中、伊田さんのお母様、そして当事者の薫くん、双子の兄弟である光くんとその他、支援をされている方々と共に、山本博司参議院議員事務所訪問され、山本博司参議院議員、齋藤健一さいたま市議会議員と共に感謝の意を伝えられる機会に恵まれました。

特に、当事者の薫さんから一生懸命に書かれた感謝の手紙を読まれていた時はとても感動しました。薫くんのような医療的ケア児が、安心して学校生活を送れるようになり、将来の夢に向かって歩むことができるようになる。それが、私たちが目指す未来です。

今回の訪問では、伊田さん親子が、温かい人間関係に支えられながら、前向きに過ごされている姿に、改めて感動しました。

山本博司参議院議員は、医療的ケア児者支援議連の連幹事長として、医療的ケア児支援法の新たな発展と見直しも視野に入れ、今後も活動を続けていくとのことです。
私たち輝HIKARIも、山本博司参議院議員、そしてさいたま市では齋藤健一市議会議員と共に、医療的ケア児とその家族が安心して暮らせる社会の実現に向けて、尽力してまいります。


医療的ケア児とは?
医療的ケア児について、専門家の立場から詳細に説明いたします:

  1. 定義:
    医療的ケア児とは、日常生活を送る上で医療的ケアを必要とする児童を指します。具体的には、人工呼吸器の管理、痰の吸引、経管栄養、導尿などの医療行為を日常的に必要とする子どもたちです。
  2. 背景:
    医療技術の進歩により、従来であれば救命が困難だった重度の障害や疾患を持つ子どもたちの生存率が向上しました。これに伴い、医療的ケアを必要とする子どもの数が増加しています。
  3. 主な医療的ケアの種類:
    a) 呼吸管理(人工呼吸器、気管切開部の管理)
    b) 栄養管理(経管栄養、胃瘻)
    c) 排泄管理(導尿、人工肛門)
    d) その他(インスリン注射、酸素療法など)
  4. 医学的特徴:
    医療的ケア児は、複数の疾患や障害を併せ持つことが多く、個々の状態は多様です。基礎疾患としては、先天性疾患、染色体異常、周産期の問題、神経筋疾患などが挙げられます。
  5. 発達支援の必要性:
    医療的ケアに加えて、多くの場合、発達支援も必要となります。療育や特別支援教育との連携が重要です。
  6. 家族への影響:
    医療的ケアの実施や24時間の見守りが必要なため、家族、特に主たる介護者の負担は非常に大きくなります。レスパイトケアなどの支援が不可欠です。
  7. 社会的課題:
    a) 保育・教育機関での受け入れ体制の整備
    b) 在宅医療サービスの充実
    c) 災害時の対応
    d) 移動支援や住環境の整備
    e) 家族のレスパイトケア
    f) 成人期への移行支援
  8. 多職種連携の重要性:
    医療(小児科、各専門科)、看護、リハビリテーション(PT、OT、ST)、福祉、教育など、多職種による包括的な支援体制が必要です。
  9. 最新の動向:
    a) 医療的ケア児支援法の施行(2021年)
    b) 医療的ケア児支援センターの設置
    c) 特別支援学校や保育所等での看護師配置の増加
    d) 遠隔医療の活用
  10. 今後の課題:
    a) 支援の地域格差の解消
    b) 専門人材の育成
    c) 医療的ケア児の社会参加の促進
    d) 成人期以降の支援体制の構築

医療的ケア児への支援は、医療、福祉、教育などの分野を横断する総合的なアプローチが必要です。個々の子どもの状況に応じた柔軟な支援体制の構築と、社会全体での理解と受け入れの促進が求められています。
また2021年9月に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が定められたことにより、全国都道府県に医療的ケア児支援センターが設置されました。


医療的ケア児支援センターについて

  1. 設立の背景:
    2021年9月に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(医療的ケア児支援法)に基づき、各都道府県および指定都市に設置が義務付けられました。
  2. 主な目的:
    医療的ケア児とその家族が地域で安心して暮らせるよう、専門的な相談支援や情報提供、関係機関との連絡調整などを行うことです。
  3. 主な機能:
    a) 相談支援: 医療的ケア児とその家族からの相談に応じ、適切な支援につなげます。
    b) 情報提供: 利用可能な福祉サービスや医療機関などの情報を提供します。
    c) 関係機関との連携: 医療、保健、福祉、教育などの関係機関と連携し、総合的な支援体制を構築します。
    d) 人材育成: 医療的ケアに関する研修を実施し、支援者の育成を行います。
    e) 普及啓発: 医療的ケア児に対する理解を深めるための活動を行います。
  4. 設置主体:
    都道府県または指定都市が設置します。直接運営するか、医療的ケアに関する専門性を有する法人等に委託することができます。
  5. スタッフ構成:
    医師、看護師、保健師、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門職が配置されます。
  6. 具体的な支援例:
  • 医療的ケアに関する相談対応
  • 適切な福祉サービスの利用支援
  • 保育所や学校との連携支援
  • レスパイトケアの調整
  • 災害時の個別支援計画の作成支援
  1. 課題と今後の展望:
  • 全国的な設置の促進
  • 支援の質の向上と均一化
  • 地域格差の解消
  • 専門人材の確保と育成

医療的ケア児支援センターは、医療的ケア児とその家族にとって重要な支援拠点となることが期待されています。今後、さらなる機能の充実と全国的な整備が求められています。