山本博司参議院議員特別講演:あいサポートとっとりフォーラムの総括:米子市

1月10日から12日で鳥取県米子市で行われた「あいサポートとっとりフォーラム25」で、イベントの最終講演を担当され登壇した、山本博司参議院議員
内容は、本フォーラム全体の総括と、令和6年度補正予算の内容、特に障害福祉サービスに関わる補正予算の概要について参加者の皆様に伝えました。
時間は25分。この講演内容について概要をまとめてました。
なおこちらの文面についての文責は、特定非営利活動法人輝HIKARIにありますので、内容について間違いなどありましたら、こちらで訂正いたします。


令和6年度 障害福祉に関する補正予算とフォーラムの総括


令和7年1月10日から12日まで鳥取県米子市で開催された「あいサポートとっとりフォーラム」において、山本博司参議院議員は特別講演を行い、障害福祉政策と補正予算の取り組みについて議論されました。この講演内容は、令和6年度の障害福祉に関する補正予算の説明と、フォーラム全体の成果を総括する形で展開されました。


令和6年度 障害福祉に関する補正予算

令和6年度の補正予算では、物価高騰対策や日本の経済成長、災害復旧などの課題に対応する予算が組まれ、総額13兆9433億円が計上されました。その中で、障害福祉分野への支援として以下の重点施策が紹介されました。

1. 介護・障害福祉分野への支援
  • 総額
    介護分野:1103億円
    障害福祉分野:874億円
  • 主要施策
  • 介護人材確保・職場環境改善(806億円)
    賃金引き上げや業務効率化、職場環境改善を通じて介護従事者の定着を図る。事業所から提出される計画書に基づき、月9000円×6カ月分(5万4000円)の支援金を提供。
  • ICT・テクノロジー導入支援(200億円)
    センサーやロボットなどの技術導入を促進。
  • 訪問介護支援(90億円)
    報酬改定に対応する形で訪問介護事業所を重点支援。
2. 障害福祉分野の支援内訳
  • 人材確保予算(258億円)
    障害福祉事業者に対する支援を強化。
  • テクノロジー導入支援(16億円)
    障害福祉現場でのICT導入促進。
  • 障害者就労支援(9億円)
    障害者就労施設の経営改善を支援。
  • 施設整備費(132億円)
    老朽化施設の改修や新規グループホームの設立を支援。
3. 重点支援地方交付金
  • 総額1兆1000億円が各自治体に交付され、地域の実情に合わせた食費・資材高騰対応や職員賃金向上を支援。

あいサポートとっとりフォーラムの総括

フォーラムでは、日本の障害福祉行政の課題や取り組みについて、行政トップ、福祉従事者、研究者、地域の関係者が議論を深めました。

講演および分科会の概要
  • 精神疾患と支援体制
    精神障害者支援において、早期治療の重要性やメンタルヘルス支援の課題が議論されました。精神疾患を持つ人々の支援拡充が不可欠との認識が共有されました。
  • てんかん対策
    公明党のプロジェクトチームが進めてきた「てんかん地域診療連携体制整備事業」により、全国30か所の拠点病院を中心とした連携体制が強化されており、令和6年度には予算が倍増される予定です。
  • 農福連携
    農業と福祉を結びつけた「農福連携」の取り組みが議論されました。障害者や高齢者が農業分野で活躍することで、地域経済と福祉の両面での相乗効果が期待されています。
  • 地域共生社会の実現
    地域生活支援拠点事業の重要性が改めて確認されました。親なき後の障害者支援を含めた重層的な支援体制の構築が求められています。
国際的な視点

ルワンダでの経験を踏まえ、日本が国際的な障害福祉支援に貢献すべきとの指摘がなされました。ルワンダの女性たちに裁縫技術を教えるNPO法人の活動が紹介され、日本の支援が現地で大きな役割を果たしていることが強調されました。


総括と今後の展望

山本議員は、フォーラムの全体を通じて、日本の福祉行政が地域社会や現場の実情に根ざした形で進化している点を評価しました。同時に、以下の課題と取り組みが必要であると述べています:

  1. 障害福祉人材の確保と待遇改善。
  2. 地域生活支援拠点事業を全国に展開し、地域共生社会を実現する。
  3. 精神疾患やてんかんなどの疾患に対する支援体制の強化。
  4. 農福連携やICT導入を活用した新たな福祉モデルの確立。

山本議員は、議員としての任期を終えた後も、障害福祉分野の取り組みに尽力する意向を示し、障害福祉政策がより良い方向へ進むための継続的な努力を呼びかけて講演を締めくくりました。