高次脳機能障害支援法の施行に向けて取材をうけました:参議院協会
29日午後、参議院議員会館の参議院協会にて、高次脳機能障害支援法施行を4月1日に控え、マスコミ関係者と「高次脳機能障害支援法成立後の現状と課題、今後について」意見交換をしました。
この法案に深くかかわり制定に尽力された、山本博司前参議院議員の取材に同席させて頂きました。
そもそも「高次脳機能障害」とは?
「高次脳機能障害」という言葉は、まだ一般的に広く知られているとは言えません。一言で言えば、「脳の損傷によって、日常生活や社会生活に支障が出る状態」を指します。
交通事故やスポーツでの脳外傷、あるいは脳卒中(脳梗塞・脳出血)などが原因となります。外見からは分かりにくいため、「見えない障害」とも呼ばれます。
主な症状の例
- 記憶障害: 新しいことが覚えられない、何度も同じことを聞く。
- 注意障害: 集中力が続かない、ミスが増える、二つのことを同時にできない。
- 遂行機能障害: 計画を立てて物事を進められない、効率よく動けない。
- 社会的行動障害: 感情のコントロールが難しくなり、怒りっぽくなったり、逆に無気力になったりする。
外見は元気そうに見えるため、周囲から「やる気がない」「性格が変わった」と誤解されやすく、本人も家族も孤立しやすいのがこの障害の大きな課題です。
マスコミ取材での意見交換とこれまでの歩み
今回の懇談には、他に1月26日に堺市の視察をご一緒した、元厚生労働省で障害者雇用対策課長を歴任した小野寺徳子さん(NPO法人クロスジョブ)も同席されました。


昨年12月16日、参議院本会議で「高次脳機能障害支援法」が全会一致で可決・成立しました。これは、私たち支援に関わる者や当事者・家族にとって、長年の悲願が形になった大きな一歩です。
山本前議員は法案成立後、すぐさま四国4県や大阪、兵庫、東京など全国各地を精力的に回り、現場の声を拾い続けてこられました。今回の取材では、そうした「現場のリアルな現状と課題」をマスコミの方々に直接お伝えすることができました。
取材で強調したポイント
- 周知・啓発の重要性: 医療従事者や行政、そして何より一般の方々にこの障害を知ってもらう必要があります。
- 地域格差の是正: 住んでいる地域によって受けられる支援に差がある現状を、法律の施行によってどう変えていくか。
- 実効性の確保: 法律が「作って終わり」にならないよう、いかに具体的な支援(就労支援や生活介護など)に結びつけるか。
4月1日の施行に向けて
「高次脳機能障害支援法」が施行される4月1日は、ゴールではなく「新しい支援のスタート」です。
マスコミの皆さんと意見交換をする中で、この問題が広く社会に浸透し、当事者が「自分らしく」生きられる環境づくりの大切さを改めて痛感しました。地方議会での議論も含め、これからが正念場です。
当団体も、現場の声を政策に反映させる橋渡し役として、引き続き全力で取り組んでまいります。


