高次脳機能障害者支援法施行に向けた意見交換:永田町
3月2日、参議院議員の原田大二郎事務所にて、厚生労働省の担当者の方々と「高次脳機能障害者支援法」の施行に向けた意見交換を行いました。
参加者は、原田大二郎参議院議員、山本博司前参議院議員小野寺徳子氏(元厚労省障害者雇用対策課長)と当団体の金子訓隆代表理事が参加。
高次脳機能障害とは? — 「見えない障害」のリアル
この法律が対象とする「高次脳機能障害」について、改めて説明します。
この障害は、交通事故や脳卒中などの「後天的な脳へのダメージ」(脳のアクシデント)によって引き起こされます。外見からは分かりにくいため、以前は「わがままになった」「性格が変わった」と誤解されることも多く、「見えない障害」とも呼ばれてきました。
主な症状
- 記憶障害: 新しいことが覚えられない。
- 注意障害: 集中力が続かない、ミスを連発する。
- 遂行機能障害: 計画を立てて物事を進められない。
- 社会的行動障害: 感情のコントロールが効かなくなる。
今回の政令案では、生まれつきの疾患や周産期の脳損傷、発達障害、そして認知症などは、別の支援枠組みがあるため、この法律の定義からは除外されることが整理されています 。
支援法の施行で何が変わるのか? — 現場の期待
厚生労働省の担当官からは、4月1日の施行に向けて、お話を伺いました。
1. 「家族支援」が法律に明記された!
私たちNPOにとっても大きな一歩なのは、家族への支援が法律上、明確にメニューとして組み込まれたことです。これまでは「明記」されていなかったため、自治体によって対応に差がありましたが、今後は国が費用の50%を補助する枠組みの中で、より充実した家族ケアが期待できます。
2. 医療現場の「気づき」を促す(第27条)
高次脳機能障害は、急性期の病院を退院した後に生活上の問題が顕在化することが多いのですが、医師がその可能性を本人に伝えていないケースが多々あります。
今回の法律第27条では、医療関係者に対する知識の普及啓発が努力義務として盛り込まれました。これにより、「お医者さんが気づいてくれない」という入口の障壁を崩していく仕掛けが作られています。
3. 地域格差の是正とPDCA
これまでは都道府県が主導していましたが、今後は政令指定都市も設置主体として加わり、より身近な地域での相談体制が整います。
また、各自治体が施策の実施状況を公表し、PDCAサイクルを回していくことで、「どこに住んでいても同じ支援が受けられる」状態を目指します 。
私たちのまちと国会での動き
- 地方自治体の動き: 2・3月議会では、堺市や岡山市、さいたま市、目黒区など、多くの自治体で公明党の地方議員がこの問題を取り上げています 。
- 国会の動き: 医師でもある原田大二郎先生が、参議院予算委員会で質問に立つ準備を進めておられます 。現場で働くOT(作業療法士)やPT(理学療法士)といったリハビリ職の処遇改善も含め、医療と福祉の連携を強力に後押ししてくださる予定です 。
今後に向けて
法律ができても、明日からすべてが変わるわけではありませんが、これまで「制度の谷間」で苦しんできた当事者やご家族にとって、この法律は大きな「盾」であり「旗印」になります。
私たち「輝HIKARI」も、この新しい法律という武器を最大限に活かし、誰もが安心して暮らせる地域づくりに、貢献して参ります。





