「障害者に就労と学びの機会を!」——神戸発 WAPコーポレーションの挑戦
「障害者に就労と学びの機会を!」——神戸発、WAPコーポレーションの挑戦
2025年6月30日、兵庫県神戸市にある(株)WAPコーポレーションを訪問し、会長の岡本正氏と懇談する機会をいただきました。ご一緒させていただいたのは、山本博司参議院議員、(株)シーアイ・パートナーズの家住教志社長CEO、そして同社専務COOであり同法人の理事でもある、本田信親氏です。

岡本会長は、もともと高校の教員として長年教育に携わり、支援学校での指導経験もお持ちの教育者です。60歳で起業し、2011年には福祉型「専攻科」としてエコールKOBEを立ち上げました。このエコールKOBEは、知的障がいや発達障がいのある若者たちが、高校卒業後も“学びを継続する場”として注目を集めています。私たちも2018年に視察に伺っており、その先駆的な取り組みに大いに感銘を受けました。
現在、WAPコーポレーションは「障害者に就労と学びの機会を!」というスローガンのもと、障がい者の社会的自立を支援するさまざまな事業を展開。エコールKOBEだけでなく、就労支援や生涯学習を軸に、複数の関連企業や団体と連携しながら支援体制を整えています。こうした取り組みを通じて、これまでに55回にもわたる研究会を開催し、現場の課題や政策提言について継続的な議論がなされています。
当日は「障がい福祉における現場課題」や「障がい者の生涯教育・高等教育との接続」、「就労支援と企業とのマッチングのあり方」など、幅広いテーマで意見交換を行いました。特に印象深かったのは、「学びを続けたい」という本人の意欲に対して、社会がどのように応えていけるかという問いでした。福祉の枠にとどまらない“教育×就労×企業”の融合モデルを目指す姿勢は、私たちの取り組みにとっても大きな示唆となりました。
関西地域では、こうした実践型の取り組みが各地に広がりつつあります。特に神戸市を中心に、教育と福祉と企業が連携し、地域全体で障がい者の「働く」「学ぶ」「暮らす」を支える動きが加速しています。WAPコーポレーションの活動は、まさにその先駆的モデルといえるでしょう。
また近畿大学とも連携し、学内に発達障害のある方の新たな学びの場を提供する構想なども考えていらっしゃいます。

貴重なお時間とご経験の共有を本当にありがとうございました。今後も「誰もが学び、働き、地域で生きていく社会」をともにつくっていけるよう、私たちも取り組みを深めてまいります。