ニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言(1)

今回のブログは、ニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言について3回に渉りコラムを書きます。
ニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言は、障害福祉について学ぶ時、知っておく大切な歴史となります。

この2つについては様々なホームページで情報を得ることが出来ますが、特定非営利活動法人輝HIKARIとして、障害福祉に従事し、それを事業として実践する法人として、基本に立ち返り伝えてまいります。

何故この時に、改めてニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言について記するか?は、この2つの事項が、障害者の権利に関わる大切なものだからです。

まず前段階として、今回は日本の政治情勢について伝えます。
いま、日本の政治は転換期に来ています。2024年10月27日の選挙では、自公与党が過半数割れとなりました。
これは2009年8月の第45回衆議院選挙以来、15年振りのことです。
そして今回、7月20日には参議院議員選挙が行われます。ここでも自公の劣勢となり、与野党逆転が起きる可能性も示唆されています。

ただ輝HIKARIは特定の政党を支持しているわけではありません。
特定非営利活動促進法の第2条の(2)では・・・

ロ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
ハ 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。以下同じ。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。

https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC1000000007

と明記されている通り、当法人も特定の政党を団体を挙げて支持強制することはありません。

しかしながら、政治の転換期には必ずと言っていいほど、厚顔無恥な情報が錯綜し、そして優生思想の中に「発達障害は医師が利益の為に作り上げたもの」とか「発達障害は親の教育次第で治すことができる」などと珍説を挙げる輩が出てくるからです。

今回もその例として、ある特定の政党が「そもそも発達障害は存在しない」との書物を公開しているようです。
政党名に関しては伏せますが、これについて私(輝HIKARI代表理事の金子訓隆)が、事務局として参加している、発達障害の支援を考える議員連盟でも、団体側として参加している、日本発達障害ネットワーク(jddNet)が主体となり、7月16日付けで、複数団体で声明を発表しました。

団体一覧
一般社団法人 日本発達障害ネットワーク・一般社団法人 全日本自閉症支援者協会・一般社団法人 日本臨床発達心理士会・NPO法人 アスペ・エルデの会・NPO法人 つみきの会・一般社団法人 日本自閉症協会・NPO法人 日本自閉スペクトラム学会

「発達障害者支援の啓発の一層の推進に関する意見表明」
本年5月に開催された政府の”ともともフェスタ2025”には、石破首相にもご出席いただけるなど 国をあげての共生社会実現の試みとして、さまざまな障害の啓発の機会となりました。
一方で、ある政党の出版物に「そもそも発達障害は存在しない」といった誤った記載が現在でもあり、日本発達障害ネットワークの会員一同としては非常に遺憾に感じているところです。
発達障害者支援法は2016年に超党派による議員立法で成立した法律であり、施行後20年を経て様々な形で発達障害児者とその保護者の方々に適切な支援が届くようになりました。また、アジアの国からも日本の発達障害者支援の取り組みは高く評価されています。
私たち日本発達障害ネットワークは、今後も発達障害児者とその保護者の方々が、どこで暮らしていても、必要としている理解や配慮が享受できるように活動をしていきたいと考えています。そして、”全ての方の命を尊重し、障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会”を皆様と共に実現していきたいと思いますので、引き続きご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
以上。

https://jddnet.jp/wp-content/uploads/statement6.pdf

事実このような内容の書物が流布していることは、世界的にみても大きな誤りであることは間違いありませんし、医学的観点からも発達障害は現存として存在する障害です。
https://www.gov-online.go.jp/featured/201104/

これが「存在しない」という表現は、例え言論や表現の自由が許されたとしても、問題視される事象です。

これを期に発達障害への排除や無理解が浸透する可能性があります。
言い過ぎ、考え過ぎと思われるかもしれません。

だからこそ、改めてニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言が唱えられた歴史を鑑みて、基本を学ぶ必要があります。

ニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言はナチスドイツが行った人体実験のような歴史を繰り返すこと無く、人権尊重、インフォームドコンセントの基本を学び、そして弱者排除、障害者への差別など行われないようにする事への教訓として、コラムとしていきたいと思います。


日本自閉症協会、「そもそも発達障害など存在しない」公言の参政党を批判 「まったく間違っています」https://news.yahoo.co.jp/articles/8500d999baddbeaf56dc2ed87f5cda6224f3d383?source=fb&fbclid=IwY2xjawLlpDpleHRuA2FlbQIxMQBicmlkETFPOUdiNENwanAwSGRSZEhmAR6r6BYYX5hcyqkoSN2nxes89JvLn5yq5LJ9lpy54WlzPakLBx43kN8TQE4koQ_aem_B9j86FtNfvDpG9Dqio9ZIA

なお、この「参政党Q&Aブック 基礎編」については、神谷氏は7月14日のポストで、「1ヶ月の突貫作業で出版」したと説明。「内容にも誤りがあったので絶版としました」としている。