バニーフーズさま見学・勉強ツアー その3
バニーフーズさま見学・勉強ツアー その2からの続きです。
株式会社ラビーさんの就労施設を後にして、バスでユニー名越工場へ移動しました。
ユニー名越工場は2階建て。1階が調理場となっており、2階に会議室がありました。
まずは1階の調理場を見学させて頂きました。
仕込みの作業も終わり、従業員の方々が一段落しているところを見学させて頂きました。
ここは、一般の会社へ配送するお弁当の調理を行っています。また今流行の「手ぶらバーベキュー」の食材セットを加工しているところです。
ちょうど繁忙期で、忙しい状態のようでした。
調理場で説明を受けているとき、この施設で入所そして就労をしている方のお母様も一緒に参加して頂きました。
このお母様について後ほど書きます。
15分ほど見学をして2階にある会議室に移動しました。
2階の会議室では、バニーフーズさんが提供されているお弁当を頂きました。とても豪勢なお弁当をご用意くださいました。
お弁当の素材については様々な拘りがあります。その拘りについてはまた機会がありましたら書きたいと思います。
昼食を摂ったあと、高橋社長から1時間30分に渉り、バニーフーズさんの設立からの歴史、障害のある方の雇用のキッカケ、そして就労継続A型事業所を設立した経緯、現在での雇用形態などについて説明を頂きました。
今回の見学会では、高橋社長には様々なご配慮をして頂きました。
1つめが、お寺や海水浴場の見学でその地域を見せて頂いたこと。
2つめが、この懇談会に実際に障害者雇用として、雇用されている従業員のお母様にもお声がけされ、親としての気持ちも直接聞かせて頂いたこと。
そして3つめが、11年前に始めてバニーフーズさんが障害者雇用として雇用した2名の方をご同席され、この職場で働いている当事者の方の生の声と体験をその方から聞かせて頂けたことでした。
そして高橋社長は、私たちにお話しをされることで、話す内容について細かく箇条書きにして、キチンと説明ができるように!と多忙のなか、事前に纏めてくださっていたことです。
私たち参加者からすれば、当日バスで移動して現地を見学ということだけで済みます。
しかし受け入れる側の方々は「せっかく来て頂くのであれば・・・」と様々な配慮を考えてなくてはなりません。
おやじりんくも昨年は大きなイベントをいくつも行いました。そのイベントで企画をしたり準備したりする事はイベントを行うことよりも何倍も時間がかかり大変なことです。
受け入れて頂く方々の姿勢が、この見学会が成功するか?否か?ということに関わってきます。
そういう意味に於いては高橋社長の熱い思いが、私たち参加したオヤジたちにたくさんの知識を与え、そして前向きな姿勢になって現れたのだと思います。
高橋社長から聞いた話を纏めるとしたらとても膨大になってしまいます。
ただ、この会社で他の障害者就労施設とは異なる事がひとつありました。
それは「福祉から支援という範疇で雇用を考えていない」ということでした。
それに現れてくる高橋社長の言葉は「今では110名の従業員が雇用されている会社だが、そのうち障害者就労で雇用している方は55名。
ちょうど半分が障害者就労として雇用している。
もうこの会社は、障害者の方々が働いてくれなければ、企業として成り立たない。
それ位に障害者の人たちを『人材』として必要としている」と言われていたことでした。
「可愛そうだからその人たちを何とかしたい」という発想ではなかったことです。
そのキッカケは、この懇談会に参加をして頂いた11年前に始めて障害者雇用をした2名の方でした。
「当初は地域の施設からお願いをされて受け入れた。また初めの頃はどう使って良いのか補の従業員も悩んで、葛藤もあり、問題もあった。
しかしいつの間にか「その障害者の人たちのために」が会社としての業務の改善や向上、そして社員同士の「鎹」となっていき、受け入れたことが結果的に業績を伸ばしていった」という事を言われていました。
そして4年前の2011年に、就労継続A型事業所を設立して、本格的に障害のある方々の雇用を率先していき、今では55名の雇用を生み出しているということになっています。
高橋社長の話のあと、そのお母様の話を頂き、バニーフーズさんにお子様を就労させたことで「安心」を感じている話をお聞きしました。
また、その11年前に雇用された2名の方のお話しを聞きました。
一番印象に残った言葉。
「この会社に勤めて本当に楽しいです。仕事が楽しくて仕方ありません。いま生きていてとても楽しいです。感謝しています」
という言葉でした。
この言葉には、参加したオヤジたちもかなり勇気を頂いたことでしょう。
自分と今の会社を例えて考えた人も居ます。
「オレは今の会社に対してこのように感謝出来ているか?」と改めて考えさせられたでしょう。
そして自分の子どもに当てはめて聞いた人も居たでしょう。
「自分の子どもが自分亡き後、このように生きてくれたら…」と。
この2名の障害者の方々は、もう親は居ません。
実際に親亡き後、で自立してこのバニーフーズさんに勤め、グループホームで生活をされています。
参加したオヤジたちも相当勉強になったと思います。
幸せの価値観は例え親であってもその子どもたちに押しつけることは出来ないと思っています。
また「幸福感」や「価値観」は人によって様々であり「どれが良い」ということも他人に押しつけることはできません。
参加したオヤジたちは「その人なりの幸せの価値観」について改めて考えて勉強になった事だと思います。
約3時間の懇談会を経て、最後は高橋社長も含めてみんなで記念撮影。
バスまでお見送り頂き、充実した「バニーフーズさま見学・勉強ツアー」は無事に終了いたしました。
この企画を立案して頂きました、ひので総合特許事務所の赤塚さま、そしてバニーフーズ高橋社長にはこの場をお借りして深く御礼を申し上げます。
*掲載の許可についてお断りをしていない方の顔については加工を施しております