ムスビテラス東大宮:東大宮福祉連盟の定期集会に参加
21日夕方から、さいたま市見沼区東大宮に新たに開所した、ムスビテラス東大宮の開所説明と、東大宮福祉連盟の定期集会に参加しました。
『互いの「知る」をむすぶ 民間型ワンストップ地域連携拠点「ムスビテラス東大宮」は誰もが排除されることなく、自分らしく社会参画ができる地域へ。「知らない」ことによる不利益をなくして個々の強みが最大限発揮される地域へ』へをコンセプトに開所した新しい地域連携拠点です。

管理者からスライド含めて20分ほど、施設の紹介を頂きました。この集まりには、地元さいたま市議会議員の齊藤健一市議も同席されました。

結びテラスの概要と理念
結びテラスは、地域の情報弱者や制度の利用機会を逃している人々を支援し、誰もが排除されることなく自分らしく輝ける地域づくりを掲げる施設です。施設名の「結び」は、人と人、心と心をつなぐ縁側のような役割を、テラスは生活と支援の境界を和らげる中間地点を象徴しています。ロゴには「叶結び」をモチーフに採用し、当事者・支援者・地域の三者が分断なくつながり、願いが叶う地域を目指します。厚生労働省の「重層的支援体制整備事業」に基づく理念を民間視点で具現化し、包括的相談、居場所づくり、多機関連携を推進します。
施設は東大宮に位置し、木や植物を活かした温かみのある空間で、障害者アートの展示や緑豊かなカフェのような雰囲気を意識。オープンイベントでは20名が参加し、ヤフーニュースでも紹介されるなど、地域内外から注目を集めています。
高齢や障害、不登校…課題ごとに支援が分断 地域の課題に対応 民間型の地域連携拠点、見沼区に開所(埼玉新聞)
https://www.saitama-np.co.jp/articles/133866/postDetail
運営スタッフと背景
事業責任者の本田光太郎氏は、精神科保護や看護師教育の経験を持ち、40歳で社会福祉士を目指して通信制の学校に通うなど、福祉への情熱を背景に活動。地域資源の不足や情報格差を解消したいとの思いから、管理者・スタッフとともに1年間の構想会議を経て結びテラスを設立しました。
井上氏(管理者)は公認心理士・社会福祉士として、スクールソーシャルワーカーとしての経験を活かし、地域の声を反映した柔軟な支援を展開。中村氏は元養護教諭で、保健室での経験を基に地域住民との連携を重視。スタッフは平日常駐し、気軽に立ち寄れる環境を提供します。
主な取り組みと活動
結びテラスの活動は、以下の5つの柱を中心に展開されます。
- むすびカルチャーセンター
地域の居場所として、ワークショップ型の体験プログラムを提供。平日の14:00~15:00は不登校の小中学生向けサポート、15:30~16:30は18歳以上の就労支援終了後の居場所づくりを目的とします。プロの講師によるダンス、マインドフルネス、マジック教室などを開催し、参加者の新たな興味や自己発見を促します。プレオープンでは、中吉作業所利用者が参加し、普段話さない子が発言するなど成果を上げました。オンとオフのバランスを重視し、自由な雰囲気で自分らしさを見つけられる場を提供します。
平日開催のワークショップ型プログラム。
・14時〜15時:小中学生の不登校支援。
・15時半〜16時半:18歳以降の就労移行支援と居場所づくり。
*内容はプロ講師によるダンス、マジック、マインドフルネスなど。 - むすびコンサル
専門職による相談支援を実施。社会福祉士や看護師が常駐し、心理検査(ウィスクファイブなど)や生活困窮者向けの減免措置付き相談を提供。医療機関での長期間待ちを回避し、必要な支援を迅速に届ける体制を整えています。地域のニーズに応じた柔軟な対応が特徴です。
・心理師・看護師・社会福祉士による専門職相談。
・心理検査(WISC-Vなど)も可能。医療機関の長い待機期間を補完。
・経済的に困難な世帯には減免制度あり。 - むすびリンク
事業所間の情報共有と相互紹介を促進。事業所の写真や活動を1分動画にまとめ、タッチパネルで紹介する取り組みを開始。利用者や相談支援専門員が事業所の強みを知り、適切なサービスにつなげることを目指します。リブライフサポートやエミダなど、PC入力やポスティングなどの作業内容を可視化し、地域全体での連携を強化します。 - むすびインフォ
障害者が制作したアートや製品を展示・販売する情報発信の場。2週間500円でアートのレンタルを行い、制作者に直接報酬を支払う仕組みを導入。外出や就労が難しい人でも才能を発揮できる機会を提供します。また、事業所の製品紹介や販売スペースを設け、地域の福祉活動を広く発信します。
・参加事業所の活動内容を写真と文章で紹介、動画化して施設内タッチパネルで発信。
・他事業所や相談支援員が相互に理解し連携するツールとして活用。
・むすびギャラリー・製品販売、利用者の絵画作品の展示とレンタル(2週間500円、作家へ支払い)。福祉施設の商品展示・販売スペースとしても活用可能。 - むすびスペース
会議やイベント用のレンタルスペースを提供。最大50名収容可能で、パーテーションによる分割も対応。地域の事業所や団体が活用しやすい特別料金を設定し、ワークショップや交流会を開催。テラス部分では夏休み向けの遊び場企画も進行中で、屋内外の空間を活用した多様な活動を展開します。
・会議・勉強会・小規模イベントに利用可能(最大50名)。
・パーテーションで2分割も可能で、用途に応じた柔軟な利用が可能。
・特別料金設定で地域福祉団体にも開放。
地域連携と新たな試み
結びテラスは、地域の多職種・多機関が共同で課題解決に取り組むプラットフォームとしての役割を果たします。具体的には、以下のような取り組みを進めています。
人材紹介の中継地点:事業所間で資格保有者や適任者の情報を共有し、地域内での雇用を促進。民間企業との橋渡しも行い、福祉に関心を持つ企業との連携を強化。
民間企業との協働:地域企業による車両提供やサポート体制の提案を受け、プレゼン大会を開催。企業のボランティアや寄付の意向を事業所につなぎ、地域全体での福祉向上を目指します。
五感を刺激するプログラム:スヌーズレンと呼ばれる、視覚・触覚・聴覚を活用したリラックスプログラムを導入。障害者向けに暗室での映像や音、匂いを用いた癒しの空間を提供し、心の安定を支援。
今後の展望
結びテラスは、地域の声を聞きながら柔軟にプログラムを拡充し、情報弱者や制度利用の機会損失を減らすことを目指します。誰もが主体的に関わり、利用できる場所として、障害の有無や年齢を超えた交流を促進。テラスを使った新たなイベントや、地域企業とのさらなる連携を通じて、持続可能な地域づくりに貢献します。
まとめ
結びテラスは、包括的相談、居場所づくり、情報発信、事業所間連携を通じて、地域の多様な課題に対応する民間型拠点です。むすびカルチャーセンターやコンサル、リンク、インフォ、スペースといった多角的な活動で、誰もが自分らしく輝ける地域を目指します。スタッフの専門性と地域の声を活かし、障害者アートや五感プログラムなど独自の取り組みを展開。東大宮から始まるこの新しい試みが、地域全体に広がることを期待します。
