知的・発達障害児・者への歯科治療について(1)
「歯科医院はコンビニの数より多い」とよく言われます。
実際の数字で見ると・・・
■歯科診療所の施設数は全国で、66,384箇所(令和6年9月現在)
■コンビニエンスストアの店舗数は全国で、55,850店舗(令和7年2月現在)
です。

その中で全身麻酔を必要として、入院して、治療できる歯科診療所の病院数はわずか61箇所しかありません。
一般の歯科医院は、近所ですぐに治療を受けられる状況になっています。
しかし、知的・自閉などの内部障害を持っている障害のある方の歯科治療においては、専門的な知識のもと、治療や検診ができる機関がとても少なくて、自宅から1時間、2時間、場合によっては宿泊を伴って全身麻酔を行い、治療をするケースもあります。
また治療の予約は3ヶ月待ちということもあります。
さて、この発達障害者・児(重度知的障害児・者)への歯科治療や口腔ケアについては医療分野でも大きな課題となっています。
何故、障害のある方の歯科治療(口腔ケア)が課題なのか?
病院の科目では代表的なものを挙げると、下記のとおりいくつかあります。
【外科・内科・耳鼻科・眼科・歯科】
この中で「障害者」という名称が科目につくのは「障害者歯科」だけです。
例えば他国でも「国際障害者歯科」というものがあります。
また日本ではこれを「スペシャルニーズデンティストリー(Special needs dentistry)」と呼ぶこともあります。
(障害のある患者を歯科医療で受診できるようにするための歯科医療の分野)
それだけ、障害のある方の歯科治療は大きな課題とテーマ、そして障害者歯科に関わる歯科医師たち懸命な研鑽と研究と努力があるのです。
次回は、日本の障害者歯科に関する歴史をご紹介します。