障害児と性教育考える/岩手ひだまり会が公開講座
胆江日日新聞(2019.10.01)に掲載されました。
胆江日日新聞
2019年(令和元年)10月1日(火曜日)第25507号 第2社会面 6
基本はマナー指導から
岩手ひだまり会が公開講座
障害児と性教育考える
ユーモアを交えながら障害者と性について語る鹿野佐代子さん
障害者と性教育をテーマにした公開講座はこのほど、水沢佐倉河の市文化会館(Zホール)で開かれた。健常者の子どもに対してでも、正しい知識を伝えるのが難しいとされる性教育。思春期を迎えようとしている障害児とその家族が、安心して成人期を迎えられるようにと企画した。出席者は有識者の識演に熱心に耳を傾けていた。
水沢東大通りの社会福祉法人岩手ひだまり会 (高橋洋子理事長)が主催し、同会保護者会が共催。同会の施設を利用している障害児の親や施設関係者、教育関係者ら約100人が参加した。大阪手をつなぐ育成会社会政策研究所客員研究員の鹿野佐代子さんを議師に、さいたま市で障害児通所施設を運営している金子訓隆さんをコーディネーターとして招いた。
鹿野さんは33年間勤めた障害者福祉施設で利用者の結婚支援を進めた際、障害者の性や金銭管理に関する教育の必要性を痛感。子どものうちは親がさまざまな面倒や助言を する場面があっても、いずれ訪れる「親亡き後」の対策を考える中で、性や金銭管理について教えることは障害者が自立して生活を営む上で避けて通れない問題だと認識した。
勤務先起た男女間の問題、障害者の性教育を進める上で課題になっている点など、分かりやすくユーモアを交えながら解説。「性や金銭に限らず、全てのことを支援する前提となるのは、エチケットやマナー。これができなければ後に続かない」と強調した。