(株)シーアイパートナーズグループ:TECTEC CREATIVEを山本博司参議院議員と訪問
1日午前、天王寺区にある、クリエイティブ×福祉を掛け合わせた企業と連携した、シーアイパートナーズが運営するTECTEC CREATIVEを訪問。
家住教志社長、本田信親専務、平安名佑太郎執行役員、村越拓也就労支援事業部本部長らと障がい者就労で意見交換。
グループの中に(株)TECTECにて自律訓練・就労継続支援A型(10名)・B型(10名)TECTEC CREATIVEがあります。
山本博司参議院議員と当団体の金子訓隆代表理事でTECTECの業務活動について視察しました。

TECTECは生きづらさを感じている人々のために活動をおこなってきた(株)シーアイパートナーズとパートナー企業の(株)一心社。(株)キッズプロジェクトの3社を中心に沢山の想いを束ね、2022年に開校。自立支援・就労移行支援 TECTEC SCHOOL(定員20名)では第一線で活躍する現役クリエーターが講師。
WEBデザインやグラフィックデザイン・動画作成などクリエイティブな仕事が中心です。
(株)一心社のビル内にTECTECS CHOOL、就労継続支援A型・B型が入居しています。施設内を見学。浦久保康裕社長(NPO法人アダプテッドスポーツ・サポートセンター理事長)が来られ懇談させていただきました。
TECTECアドバンスでは、就労継続支援A型・B型事業所より、作業系施設外就労コースとしてOSPアドバンス(株)に派遣されています。

「AIを使った活用、障がい者優先調達推進法の活用、定着支援サービスなど等」で、意見交換。
金子代表理事は過去に2回、見学をさせて頂いておりますので3回目の訪問です。
以下、TECTECの取り組みです。
【TECTEC事業 説明概要(シーアイパートナーズ)】
- 背景と事業のスタート
シーアイパートナーズは、「福祉と企業の連携」による新しい就労支援の形を実現しようとする法人。村越さんは、福祉職員時代から「マンパワー依存の福祉」では限界があると感じ、より持続可能な形として、企業との連携に大きな可能性を見出してきた。2年前よりシーアイパートナーズに参画し、TECTEC事業を開始。
- 参画企業・支援者
TECTECの運営には、多様な分野のプロフェッショナルが関わっている。
- 印刷会社(株式会社 一心社):老舗の印刷業。
- デザイン会社(ジャムストア):元リクルートの松本氏が代表。
- ゲーム開発(足立氏):カプコン出身、星のカービィ等に携わる。
- 教育系コンテンツ(小林氏):カードゲームやボードゲームなど、教育と遊びの融合。
- 教科書出版(東京書籍関係):教育分野の企業との連携も。
これら企業とCIパートナーズが手を組み、障害者の就労と学習支援を展開している。
- 事業の構造と拠点
- 就労継続支援A型/B型:それぞれ10名規模。
- 自立訓練/就労移行支援:登録利用者60名超。
- 事業所:
- 天王寺(自立訓練)
- 長居(就労移行)
- 伊里(多機能型)
- 今後、隣接施設と統合予定。
支援対象は、主に精神障害や発達障害のある方。知的障害のある方には、別拠点で清掃等の作業を提供し、特性に応じて事業所を分けている。
- 学びと仕事の内容
学習内容
- デザイン、動画編集(Photoshop、Illustrator、Premiereなど)
- プロ講師による専門指導も導入
- ソーシャルスキル(SST)や体調管理も重要視
- ICTツール導入による体調記録(睡眠時間、気分の可視化)を行い、本人・職員間の認識共有を強化
仕事の内容
- 動画制作(VTuber、アニメ、研修動画など)
- グラフィックデザイン(チラシ、SNS画像、ロゴ制作)
- SNS運用(Instagramなど)
- 実際に企業案件として納品・採用された事例も多数あり、高いスキルと評価
- 就労へのアプローチ
- A型/B型ともに「体調管理が整っている方」を前提とし、就労可能なレベルを見極めてから受け入れ。
- 利用者のモチベーションやスキルにばらつきがあると事業所が「カオス」になるため、フェーズで分離。
- A型/B型から一般企業への就職者も多数(例:2025年度で12名程度)
- 在宅利用や、地方(奈良・京都)からの通所もあり、広域対応可能なクリエイティブ事業という強み
- 求人ルートと連携機関
- ハローワーク(阿倍野・大阪市内)も活用しているが、ハローワークとの連携は今後強化が必要
- 特に手帳未所持者なども支援対象とする「解決型ハローワーク」との連携が今後の課題
- 定着支援と企業内モデル
- 現在、就労定着支援の報酬加算は未取得だが、実質的な定着支援は自主的に実施。
- 企業連携によって、事業所が企業内に存在する「内包モデル」が特徴。
- 定着率100%という高評価事例あり(例:OSPアドバンス社との連携)。
- 特例子会社との連携も進行中
- 将来展望と事業拡大
- 聴覚障害者中心の企業から、精神・発達の支援対象拡大を企業側も求めており、社会的ニーズの高まり
- クリエイティブ事業を軸に、地域・事業拠点の拡大を予定
- その他のポイント
- 職員の能力多様性を活かした運営(元声優、動画編集、営業など)
- 自社制作パンフレットもA型利用者が制作
- SNS活用が実績に直結(インスタから医療職の採用実績あり)
総評
TECTECの特徴は、単なる作業所にとどまらず、「学びと実務の一体化」「企業連携による社会との接続」「ツール活用による可視化支援」によって、障害者が自らのスキルを活かし、安定的に働く未来を実現するモデルとして高く評価できる。
今後、就労定着支援の制度取得や地域拡大が進めば、全国規模での展開も期待される注目のモデル事業といえる。
