EXPO2025大阪・関西万博:障害者の文化芸術国際フェスティバル 日本遺産「石見神楽(桑の木神楽会)」を鑑賞:大阪市

大阪・関西万博の会場にて、障害のある人々の多彩な文化芸術表現を世界に発信する国際フェスティバル『ここに私が、(そして)あなたは… 障害者の文化芸術国際フェスティバル』が本日(8日)から11日(土)まで開催されます。

主催は、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会。障害のある人々の自由で多彩な文化芸術表現を世界に発信するとともに、誰もが“旅”を通して芸術にアクセスできる社会を目指す「文化芸術ユニバーサル・ツーリズムプロジェクト」の一環として実施されます。

開会記念式典終了後、社会福祉法人 いわみ福祉会による日本遺産「石見神楽(桑の木神楽会)」 プロローグパフォーマンス。


島根県の社会福祉法人いわみ福祉会の余暇活動から生まれた、障がい者が中心となって舞う郷土芸能・石見神楽。艶やかな衣装と迫力ある舞が織りなすステージは、伝統継承の新たな形と自己表現の可能性を鮮烈に提示し、観る者の心を揺さぶります。

また「障害者の文化芸術国際フェスティバル」を運営された全国手をつなぐ育成会連合会などスタッフの皆様には感謝申し上げます。

社会福祉法人いわみ福祉会について

社会福祉法人いわみ福祉会は、島根県浜田市および江津市を中心に活動する非営利法人です。本会は、障害児・障害者および高齢者を対象とした福祉サービスを提供し、地域社会における共生と自立支援を理念として設立されました。誰もが平等に尊重され、自分らしく暮らせる社会の実現を目指し、各個人の可能性を最大限に引き出す環境の構築に注力しています。

設立背景と概要

  • 所在地: 島根県浜田市(本部)および江津市。
  • 設立目的: 障害のある人々や高齢者が地域で安心して生活できる支援体制の構築。地域住民との連携を重視し、多様な職種の専門家(支援員、保育士、介護士、看護師、栄養士、臨床心理士など)が協力してサービスを展開しています。
  • 公式ウェブサイト: https://www.iwamifukushikai.or.jp(事業紹介、情報公開、採用情報などが掲載)。

主な事業内容

いわみ福祉会は、以下の分野で幅広い福祉サービスを実施しています。これらの事業は、利用者の自立支援と地域参加を促進する観点から設計されています。

分野具体的なサービス例
障害者支援事業入所施設、生活介護・通所事業、共同生活援助(グループホーム)、地域生活支援・相談支援、放課後等デイサービス。就労支援として、神楽衣装の刺繍や和紙工芸などの職業訓練も行っています。
障害児支援事業児童クラブ、放課後等デイサービス、保育支援。個々の特性に合わせた療育プログラムを提供。
高齢者・介護福祉事業養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、通所介護、訪問介護。日常的な生活支援と健康管理を重視。
児童福祉事業児童クラブ運営、地域貢献活動を通じた子育て支援。
その他就労支援、地域貢献事業(例: 工芸品制作を通じた社会参加促進)。

特徴と取り組み

  • 多様な専門職の連携: パティシエや乗馬インストラクター、工芸職人などの技術職も含め、利用者の興味や能力に適した支援を展開。たとえば、伝統芸能(神楽)関連の工芸を通じて就労スキルを養うプログラムが特徴的です。
  • 情報公開と透明性: 公式サイトにて法人概要、理念、助成事業報告、事業所一覧を公開。所轄庁情報も確認可能です。
  • 採用情報: 福祉関連職種を中心に求人を実施。詳細は公式サイトまたは地域の移住・就職支援ポータル(例: しまね移住情報ポータル)で確認できます。

本会は、島根県西部の地域特性を活かし、持続可能な福祉エコシステムの構築に貢献しています。詳細な情報やお問い合わせは、公式ウェブサイトをご参照ください。

石見神楽の概要

石見神楽(いわみかぐら)は、島根県西部の石見地方を中心に伝承される伝統的な神楽の様式であり、日本の神話や伝説を題材とした演劇的要素の強い民俗芸能です。この芸能は、収穫期における自然や神々への感謝を表現する神事として起源を持ち、現在では地域の祭り、イベント、または専用の公演施設で広く披露されています。特徴的なのは、華やかな衣装、表情豊かな面(仮面)、力強い太鼓のリズム、そして勧善懲悪の明確なストーリー展開です。これにより、初めて観覧する者にとっても理解しやすく、神話の世界に没入しやすい点が挙げられます。

歴史的背景

石見神楽の起源は近世以前に遡るとされ、江戸時代中期の文化・文政期に、国学の影響を受けて『古事記』や『日本書紀』を基調とした神話演目が加わりました。当初は神職による神事でしたが、明治政府の神職演舞禁止令により、氏子(民間人)へと受け継がれ、民俗芸能として発展しました。これにより、八調子(速いテンポでダイナミックなスタイル)と六調子(重厚で原型に近いスタイル)の二系統が生まれ、多様な表現が可能となりました。1979年に大元神楽が国の重要無形民俗文化財に指定され、2017年には高円宮殿下記念地域伝統芸能大賞を受賞、2019年には「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」として日本遺産に認定されています。

特徴と演目

石見神楽の公演は、通常、神社での夜通し奉納神楽や、定期公演、競演大会で行われます。舞手は地域住民が務め、親子代々の伝承が特徴的です。主要な演目には以下のものが含まれます:

演目名概要
八岐大蛇(やまたのおろち)スサノオノミコトが八つの頭を持つ大蛇を退治する神話。火や煙の特殊効果が用いられ、迫力あるクライマックスが魅力。
塵輪(ちりわ)天皇が大悪鬼を弓矢で討つ鬼舞。二神二鬼の激しい対決が展開し、戦いのダイナミズムを強調。
国受け出雲神話の建御名方神の物語。新作として小林幸子氏が歌唱で参加した『魂神楽 モモチヨロズヨ』が2025年に上演予定。

これらの演目は、太鼓、笛、鉦の楽器によるリズムが基調となり、観客を神話の現場に引き込みます。