joyひこばえを見学・緒方理事長と懇談

1月26日、福岡市での活動報告「JOY倶楽部を見学」からの続きです。

JOY倶楽部を後にして、同法人の社会福祉法人JOY明日への息吹が運営する、子ども発達支援施設「joyひこばえ」に見学に向かいました。

「joyひこばえ」は、知的な発達障害のある児童、または発達に特性が強く生活に困り感をもった3歳から5歳の子どもたちに、基本的な生活習慣や人とのかかわり、身体の動き、コミュニケーションなどの発達支援を行い、あわせて保護者に対しても必要な助言や支援を行う児童福祉施設です。

現在は3クラスで毎日30名の児童をお預かりしてます。

場所は福岡市でも博多区の中心地。繁華街の中にあり、廃校となった小学校の校庭を一部利用して10年前に設立されました。

緒方理事長より「施設を見学するなら子どもをお預かりしている時間を見学した方が良い」と言われ、子どもたちがたくさん居る賑やかなところを見学させて頂きました。

緒方理事長は別件での福祉相談があるということでこちらの施設は、副園長が引率して施設の説明をして頂きました。

あいにくこの日は雨でしたのでお庭で子どもたちも遊ぶことが出来ませんでしたが、とても大きな庭でたくさんの遊具も配置されており、普段はとても賑やかに元気に遊んでいることが想像できました。

また施設内にある運動療法を兼ねた遊具が配置されている部屋を見学。

トランポリンや天井からのロープが吊されており、思いっきり子どもたちが運動できるような環境を整えておりました。

また作業療法士も常勤として配置されており、個別の療育から集団療育まで専門的に行える体制も整えております。

クラスは、児童の特性においてある程度の配置分けがされており、苦手な事に対して周りのお友達と一緒に頑張れるような環境にもなっています。

トイレ設備・着替え・部屋などすべて構造化されて、視覚的にも分かりやすくなっていました。

本当に素晴らしい施設でした。

「joyひこばえ」の見学を終えて、そのまま福岡空港に向かいました。

緒方理事長が、わざわざ空港までお越し頂き、当団体の理事たちとの懇談の機会を設けて頂きました。

懇談時間はおよそ2時間、輝-HIKARI-志木・輝-HIKARI-さいたまの両管理者は、普段の支援や子どもへのふれ合い方、そして障害児への大切なことなど、また見学させて頂いたJOY倶楽部・joyひこばえについて多岐に渉り緒方理事長に質問をしました。

緒方理事長もそのひとつひとつの質問に丁寧にご回答頂きました。

緒方理事長が、何故この障がい者支援の福祉の世界に進まれたのか?そのキッカケについても聞きしました。

もともと緒方理事長は、歯科医師として、障害のある方々への診療に取り組まれているなか、麻酔科として診療に携わるなかで、その「障害のある子どもを抱えた家族」をたくさん見てこられました。

そのなかで「診療だけで接する事が出来ない、障害当事者・またはその家族、特に母親の支援」について言及され、そこから支援を強く考えていかれるようになったと言われておりました。

緒方理事長は、歯科医師として障害者歯科の分野では、日本障害者歯科学会の理事長も務められ、そしておがた小児科歯科医院も設立され、今では日本だけでなく、世界の障害者歯科について各国で講演を担当されるほど成功を収められた方です。

その緒方克也氏が言われた言葉でとても印象に残ったことがあります。

それは「障害歯科と言っても、医療行為の前に福祉であるということ。

障害者福祉の中に障害者歯科というものがある。

医者はどうしても福祉と医療行為を分けてしまいがちであるが、誰の為の診療か?だれを対象とした医療行為なのか?を考える時、相手が障害のある方であれば、それは福祉支援の中の医療行為である」と言われました。

「だから福祉のこと障害のこと、支援のことが分からなければ、一時的な治療行為となってしまい、そこには医師と患者の信頼関係すら結べない。その中での障害のある人に対する医療行為は様々な誤解を生んでしまう。だからこそ、福祉を勉強して実際に支援をして、そこからたくさんの事を学び、その中のひとつとして、障害者への歯科治療があるということを忘れてはいけない」と言われておりました。

このような話を、当団体のメンバーたちで一緒に聞けた事はとても貴重な時間でした。最後に当団体理事たちと共に記念撮影。

また緒方先生も埼玉へは来る機会も多くなるとお伺いしました。

これを期に、おやじりんくとの交流も深めて頂き、私たちもより一層、障害のある方々への支援に繋がるようにしていきたいと思います。