「日本財団電話リレーサービス」勉強会&デモ体験会を開催:さいたま市役所
1日午後から、さいたま市役所内にて、「日本財団電話リレーサービス」の概要や普及啓発、そして最新の通訳アプリ「ヨメテル」のデモ体験を行う勉強会を開催いたしました。
輝HIKARIの代表理事である金子訓隆も、今回の取り組みを地域へ繋ぐコーディネーターとして参加いたしました。当日の有意義なディスカッションの様子をレポートします!

勉強会の概要と参加者
今回の勉強会は、聴覚や発話に障がいのある方々、そして加齢により耳が聞こえにくくなった方々が、社会と「電話」でスムーズに繋がれる環境づくりを目指して行われました。
- 講師:一般財団法人日本財団電話リレーサービス 常務理事 秋山愛子 氏
- コーディネーター:特定非営利活動法人輝HIKARI 代表理事 金子訓隆
- 参加者:
- 公明党埼玉県議会議員団(蒲生徳明県議、萩原一寿県議、橋詰昌児県議、小早川一博県議)
- 公明党さいたま市議会議員団(上三信彰市議、小森谷優市議、吉田一志市議、服部剛市議、関ひろみ市議、大貫田鶴子市議、照喜納弘志市議、齊藤健一市議)

誰もが電話を使える社会へ:2つの主要サービス
秋山常務理事からは、24時間365日いつでも利用でき 、緊急通報(救急車や火災など)にも対応している2つのインフラサービスについてお話しいただきました 。
① 電話リレーサービス(手話・文字通訳)
耳が聞こえない方や発話が困難な方と、聞こえる側の間にプロの通訳オペレーターが入り、手話や文字を「音声」にリアルタイムに通訳して電話を繋ぐ仕組みです 。法律に基づき、みなさんの携帯電話料金などの「1円(電話リレーサービス料)」を原資に国全体の交付金事業として運営されているため、アプリ利用や通訳費自体は無料となっています 。
② ヨメテル(難聴・高齢者向けアプリ)
「自分の声で話せるけれど、相手の声が聞き取りにくい」という加齢性難聴や中途失聴の方のための最新アプリです 。相手の話し言葉が、AIやオペレーターを通じてスマホ画面にほぼズレなく文字として表示されるため、プライバシーを守りながらスムーズに会話ができます 。
参考:相手の声が読める電話「ヨメテル」、サービス提供開始 - 電話リレーサービス|公式ウェブサイト

先進自治体の事例と、埼玉県・さいたま市への提案
勉強会では、地方公共団体がこのサービスをどのように住民支援へ活かせるか、3つの具体的な提案と全国の先進事例が紹介されました 。
- 「地域登録」による通話料の公費負担(鳥取県などの事例) 利用登録をした住民の通話料金を自治体が負担する仕組みです 。鳥取県では年間でも大きな財政負担を出すことなく、多くの聴覚障がい者や難聴の方のセーフティーネットを構築しています 。
- 「手話リンク」の導入(神奈川県警などの事例) 交番や病院などの窓口にQRコードを設置し、そこからワンタップで手話通訳センターへ繋ぐシステムです 。駅前交番が不在の時や災害時でも、障がいのある方が取り残されない街づくりに役立っています 。
- 日常生活用具としてのスマホ・タブレット購入補助(東京都八王子市などの事例) こうした通訳アプリや情報アクセシビリティを利用することを条件に、高齢者や障がい者への端末購入費用を補助するDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが紹介されました 。

勉強会を終えて:輝HIKARIとしての想い
後半の意見交換では、埼玉県警での「手話リンク」の活用や、大宮駅周辺をはじめとする地域のユニバーサルデザイン(バリアフリー化)の必要性、さらには手話通訳者の育成といった課題まで、非常に熱い議論が交わされました 。
手話が必要な方だけでなく、年を重ねて耳が遠くなったおじいちゃん、おばあちゃんも含め、「誰もがいつでも、誰とでも繋がれる安心感」は、これからの福祉・防災において欠かせない公共インフラです 。
輝HIKARIは、障がいのある子どもたちやそのご家族を支えるだけでなく、今回のような勉強会を通じて、埼玉県やさいたま市が「誰一人取り残さない優しい街」となるよう、これからも地域や行政の架け橋として活動を推進してまいります。ご参加いただいた議員団のみなさま、そして貴重なお話をありがとうございました!

講師:秋山愛子氏 プロフィール
秋山 愛子(あきやま あいこ) 日本財団電話リレーサービス常務理事 、日本障害インクルーシブビジネス推進協会代表理事 。カリフォルニア大学バークレー校文化人類学科卒 、リーズ大学障害学修士修了 。衆議院議員秘書を経て、2002年から22年間、国連アジア太平洋経済社会委員会(UN ESCAP)の社会問題担当官としてアジア太平洋地域における障害者の権利擁護や障害者権利条約(CRPD)の推進に貢献 。現在は、国内外の知見を活かして日本の情報・通信アクセシビリティの社会実装や、ビジネスを通じた障害者の社会参画を主導しています 。訳書に『哀れみはいらない』(現代書館) 。
略歴
- 学歴
- カリフォルニア大学バークレー校文化人類学科 卒業
- 英国リーズ大学大学院障害学修士課程 修了
- 主な経歴
- 衆議院議員政策秘書
- 米国拠点NGOプロジェクトコーディネーター
- 国連アジア太平洋経済社会委員会(UN ESCAP) 障害プロジェクト専門官(2002年〜)
- 国連アジア太平洋経済社会委員会(UN ESCAP) 社会問題担当官(2007年〜2024年)
- 一般社団法人 日本障害インクルーシブビジネス推進協会(J-DiB) 代表理事・会長(2024年10月〜現在)
- 一般財団法人 日本財団電話リレーサービス 常務理事(2025年1月〜現在)
- 著書(翻訳)
- 『哀れみはいらない――全米障害者運動の軌跡』(ジョセフ・P・シャピロ著、現代書館、1999年)


