「社会福祉法人 臥牛三敬会」を訪問・視察|障害者デジタルしごと応援事業の推進に向けて:宮城県角田市
お使いの端末の音声機能で読み上げます。音量は端末側で調整してください。
本日、日本財団アドバイザーの山本博司前参議院議員、日本財団 公益事業部の萩原康太郎・村上智則両チームリーダーと共に、宮城県角田市にある「社会福祉法人 臥牛三敬会 虹の園」様を訪問・視察いたしました。地元・角田市議会の馬場道晴議長にもご同席いただきました。
臥牛三敬会様は、今年で設立43周年を迎えられる歴史ある法人です。現在、就労継続支援B型や就労移行支援など4拠点を展開し、130名の利用者様がパン・ピザ製造や部品組み立てなどの業務に取り組まれています。工賃水準も高く維持されており、障害基礎年金と工賃を合わせて「月額所得10万円」を目指す先進的な取り組みを実践されています。
今回の訪問は、日本財団が進める「障害者デジタルしごと応援事業(国立国会図書館の蔵書デジタル化事業など)」の導入・展開に向けた具体的な意見交換と現場確認が目的です。
意見交換および施設視察を通じて確認したポイントは以下の通りです。
- 仙南地域のデジタル就労拠点構想
仙南地域(2市7町)における障害者デジタル就労のハブ拠点となるべく、臥牛三敬会様ではすでに「みやぎセルプ協働受注センター」主催のITスキルアップ研修を受講されるなど、着実な体制づくりを進められています。 - 作業スペースの確認
デジタル化作業の拠点候補となる施設内スペースを見学しました。スキャニング機器の設置や動線の確保、情報セキュリティを担保できる十分な広さと環境が整っていることを確認しました。 - 自治体・行政との連携課題
今後の継続的な業務量確保に向けては、国会図書館の蔵書スキャン事業に加え、宮城県や角田市などの行政文書電子化事業の受託が重要となります。議会関係者や自治体との連携強化が今後の大きな鍵となります。
ITエンジニアリングと福祉現場の橋渡しを行う当法人としても、仙南地域において障害のある方々がIT・デジタル技術を活かしてより高い工賃を得られる環境づくりを、関係者の皆様と連携したいと思っております。
温かく迎えてくださった湯村利徳理事長、斎藤亮副園長、太田忠義副園長をはじめ、臥牛三敬会の皆様、誠にありがとうございました。
現状と拠点の準備状況
- 既存の法人内では、4施設の利用者工賃に差があるが、県から、年間4万円以上の工賃を支給した施設として、表彰された経緯がある。
財団支援・国立国会図書館業務の前提条件
- 財団による設備整備支援は、支援決定には審査があり、設備整備後に国立国会図書館の仕事が供給されない場合でも、年間を通じて作業を稼働させられる仕事の確保が必要とされた。
- 既存13拠点では国立国会図書館関連業務を実施している。今後、希望拠点が増える場合は、国立国会図書館側への業務量拡大の働きかけを行う。
自治体・地域との連携方針
- 財団の支援決定前に、市・県が行政文書のデジタル化を継続的に支援する環境を整える必要があるとの認識が共有された。
- 市の行政文書について、まずデジタル化ニーズを確認し、対象文書の種類・作業仕様・単価を整理する必要がある。文書の状態、ファイルの扱い、付箋の復元、目次入力の有無などで単価は大きく異なる。
- 福岡の共同受注窓口であるセルプセンター福岡では、県立図書館、環境事務所、本庁舎の担当課などから受注し、合計約6,000万円の実績があると紹介された。単価設定や受注設計のノウハウ提供が可能とされた。
- 将来的には単独法人での事業にとどめず、施設外就労や共同受注を通じて地域の他事業所も受け入れ、仙南地域全体の障害者就労環境の改善につなげる構想が示された。
- 現在の利用時間は9時半から15時半であるため、一般就労の8時間勤務を見据え、作業時間を延長できる体制や独立した作業場所の活用を検討する必要があるとの意見が出た。
今後の検討事項
- 市・町・県が確保できる行政文書デジタル化業務の規模、継続性、予算化の可能性。
- B型利用者を含む作業体制、利用時間の延長、職員配置、研修方法の具体化。
- 将来的な施設外就労・共同受注の受入範囲と、地域の他事業所との連携方法。









