ブックオフグループの特例子会社「ビーアシスト株式会社 東千葉事業所」を訪問・視察:千葉市

特定非営利活動法人 輝HIKARIでは、利用している子どもたちの将来の自立や就労に向けた手厚い支援を目指し、先進的な障害者雇用に取り組む企業や現場への視察・交流を行っています。

今回は、ブックオフグループホールディングス株式会社の特例子会社である「ビーアシスト株式会社 東千葉事業所」を訪問いたしました。企業説明会および現場で活躍される当事者スタッフ2名による体験発表の様子を報告いたします。
この見学は、小野寺徳子氏(元厚労相障害者雇用対策課長・元福岡労働局長)が中心となって声がけをされ、山本博司氏(前参議院議員・輝HIKARI理事)らと共に8名で訪問・視察させて頂きました。

【他の参加者】
東京都ビジネスサービス(株)根津史明社長 / 一般社団法人日本障害者雇用担当者協議会 上前忠司代表理事 / 一般社団法人自立学実践研究所 田中佑樹代表理事 / (株)LITALICO 服部一史シニアコンサルタント / (株)セルム 白砂祐幸グループマネージャー

【特例子会社 ビーアシスト(株)】
川口桂子社長(ブックオフグループホールディングス(株)取締役)、戸部尊之事業部長、深水清志人財開発部長、大西美香業務推進部長。鹿間慶子東千葉事業所長、村上由香サポートスタッフ、西谷紀子さま 他

1. ビーアシスト株式会社の企業概要と経営理念

説明会では、代表取締役ならびに事業部長より、企業の基本方針や人材育成の仕組みについてお話しいただきました

  • ビジネスとしての特例子会社運営 特例子会社を単に「守る場所」とするのではなく、「きっちりとビジネスを行い、利益を上げて社会やグループに貢献する場」であることを重視されています。スタッフの皆さんも「自分たちの商品加工やクリーニング作業がブックオフ店舗の売り上げを支えている」という強い誇りを持って業務に取り組まれています。
  • 社会人としての「4つの約束」 自立とチームワークの根底として、以下の4つを徹底・実践されています。
    1. 挨拶ができる
    2. 気持ちの良い返事をする
    3. 時間や約束を守る
    4. 身だしなみを整える
  • ダイバーシティ&インクルージョン:合理的配慮を行いながらも機会は平等とし、一人ひとりの個性や得意分野を見極めた人員配置と成長支援が行われています。
  • キャリアパスと評価制度:「マネジメント」「スペラネット」「スペシャリスト」という3つのキャリアコースが用意されており、指導員側(運営チーム)へ登用される実績も出ています。また、半年に一度の定期面談や記名式の満足度調査を通じて本音を吸い上げ、心理的安全性の確保とモチベーション維持に努められています。

2. 東千葉事業所の取り組みと「自立」「成長」の捉え方

続いて、東千葉事業所長より実際の現場における支援体制や地域連携についてご説明いただきました

  • 東千葉事業所の特徴 在籍スタッフ29名のうち、約6割が勤続10年以上のベテランです。採用にあたっては、作業能力だけでなく「仕事に対する前向きな姿勢」や人柄・可能性を重視されています。
  • 「自立」と「成長」の定義
    • 自立: 全てを1人でできることではなく、「自分で考えて選択し、行動できること」
    • 成長: 急激な変化ではなく、「焦らず確実に歩みを進めること」 障害特性だけに目を向けるのではなく、本人の強みや可能性に光を当てる支援を大切にされています。
  • 店舗ヘルプと自己肯定感の向上 近隣のブックオフ店舗へのヘルプ作業を行い、店舗側が数日かかる作業を1日で仕上げるなど大きな貢献を果たしています。感謝を伝える「ありがとうカード」の取り組みなどを通じ、受援者から「頼られる存在」へと意識が変化し、自己肯定感やチームワークを高めています。

その後や約1時間程度の時間を要して、実際に作業現場を拝見させて頂きスタッフらにわる説明、また店内で品物の陳列等を行っているスタッフの方からの説明をして頂きました。


3. 当事者スタッフ2名による貴重な体験発表

現場で働く2名のパートナー・スタッフの方から、就労までの道のりや仕事での葛藤、将来の目標についてお話しいただきました

① 勤続3年目・おもちゃ加工担当
  • 就活・実習での学び 特別支援学校3年生の時に実習へ参加。「メモを取ること(指導者の時間を奪わず再確認するため)」と「顔を上げた気持ちの良い挨拶・返事」の大切さを学び、入社を掴み取りました。
  • 葛藤と成長 入社当初はおもちゃのカウント作業中に周りの音や話し声で集中力が切れ、悔しさやパニックから涙を流して早退することもありました。しかし、睡眠時間の確保や気分の切り替え、数え方の工夫を重ねたことで、現在はカウンターなしで正確な個数確認や倉庫管理作業を任されるまでになりました。
  • 今後の目標 作業のスピードと正確性を高め、周りへの気配りを意識しながら「おもちゃチームのリーダー」を目指して取り組んでいます。
② 勤続2年目・チームリーダー
  • これまでの背景 小・中学生時代は物覚えの悪さに悩み、自分に自信が持てずにいましたが、特別支援学校(高校)で仲間と出会い、学級委員や生徒会活動を通じて「人に頼られる喜び」を知りました。
  • 指導現場での学びと工夫 入社当初は失敗を恐れてすぐに答えを求める傾向がありましたが、失敗を恐れず自ら挑戦・発信することの大切さを学びました。現在はチームリーダーとして新人育成に携わり、伝える際はメモで頭を整理してからわかりやすく話す工夫や、自己判断だけに頼らず運営チーム全体で情報を共有・相談する大切さを実感しています。
  • 今後の目標 「東千葉事業所といえば私」と言われるような存在を目指し、社会人としての基本動作(4つの約束)を自ら示しながら、将来は運営チーム(指導員)の一員として仲間を支えたいという頼もしい目標を語ってくれました。

発表の最後にこのような言葉で締めくくられました。
「障害者雇用は、特別な誰かを助けることではなく、一人一人の得意なこと、苦手なことを理解し合いながら、共に働く力を育てていくことだと思います。 支えられる経験をした人だからこそ、次は誰かを支える力を持てる。 私はそう信じています。」
とても感動しました。当事者だからこそ、この言葉に説得力がありました。

4. 視察を終えて(輝HIKARIとしての学びと今後の展望)

今回の視察を通して、障害のある子どもたちが将来社会に出て自立していくためには、学童期からの「挨拶や返事などの基本的なマナー」「自分で考えて選択・行動する経験」、そして「人の役に立ち頼りにされる体験」がいかに重要であるかを再認識いたしました

輝HIKARIが運営する放課後等デイサービスや児童発達支援の現場におきましても、子どもたちが10年後・20年後に自信を持って社会へ羽ばたいていけるよう、今回の学びを日々の療育や成長支援にしっかりと還元してまいります。
また、店舗には私たち団体施設の近くにある大宮営業所もあります。今度はこちらの大宮店舗にて、輝HIKARIのスタッフらの見学を受け入れて頂けるよう要望もしました。

最後には、スタッフから訪問の御礼のお手紙を頂きました。心温まるご対応にこちらも感謝仕切れません。温かく迎え入れ、貴重なお話をお聞かせいただいたビーアシスト株式会社の皆様、東千葉事業所の皆様に心より感謝申し上げます。