奥羽大学を訪問~「はっするでんたー」の活用事例と患者一人ひとりの特性について~:福島県郡山市
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本日、特定非営利活動法人輝HIKARIの金子訓隆代表理事が、福島県郡山市にある奥羽大学を訪問いたしました。
奥羽大学とのご縁
奥羽大学とのつながりは、金子代表理事が株式会社マイクロブレインとして開発している口腔ケア支援ソフト「はっするでんたー」の監修にさかのぼります。
「はっするでんたー」は、岡山大学病院、大阪大学歯学部附属病院、長崎大学、奥羽大学、そして各県の口腔保健センターなど、障害者歯科の第一線で診療にあたっておられる専門家の皆さまに監修していただきながら、改良を重ねてきました。奥羽大学歯学部附属病院は公益社団法人日本障害者歯科学会の認定施設でもあり、地域の障がいのある方の歯科診療を長年支えてこられた場所です。
島村教授は2011年から同大学の教授を務められ、研究テーマのひとつに「心身障害児の歯科治療に関する研究」「歯科治療時の呼吸・循環に関する研究」を掲げておられます。まさに、私たちが日々向き合っている子どもたちの困りごとと重なる領域です。
そうしたご縁から、これまでにも郡山市の奥羽大学へ足を運ばせていただき、現場のお話を伺ってまいりました。
本日の懇談内容
本日は、「はっするでんたー」の実際の活用事例について、意見を交わしました。
特に時間を割いたのが、利用される患者さんお一人おひとりの、その日の体調、年齢、そして障害特性についてです。
同じ絵カードを使っても、伝わる子と伝わらない子がいます。前回はうまくいったのに、今日は体調がすぐれず落ち着かない。小学生に響いた説明が、思春期を迎えた中高生には子どもっぽく感じられてしまう。感覚の過敏さが強い方には、音や光の情報をどこまで見せるかで反応が変わる。
こうした差は、マニュアルには書ききれません。だからこそ、実際に診療室で子どもたちと向き合っておられる先生から、生の事例を伺えることには大きな意味があります。ソフトをどう作るかという話ではなく、目の前の一人にどう届けるかという話です。
「はっするでんたー」とは
ここで、あらためて「はっするでんたー」をご紹介します。
はっするでんたーは、歯科治療への不安からパニックを起こしやすい発達障がいのある方のために作られた、iPadで使うデジタル絵カードのソフトです。
歯医者さんが怖いのは、これから何をされるのか分からないからです。口の中は自分では見えません。知らない機械が近づいてきて、知らない音がして、知らない感覚がやってくる。見通しが立たないことは、それだけで強い不安になります。
そこで、治療の順番と使う器具を、写真や動画で先に見せてしまおうというのが、このソフトの考え方です。
- あらかじめ496枚の絵カードが入っており、その子に合わせて必要なものを選び、順番を並べ替えて、その人専用のセットを作れます。
- iPadのカメラでその場で撮影してカードを作れます。イラストではなく、実際にその歯科医院で使う器具そのものを見せられるため、「絵と実物が違う」という混乱が起きません。
- Bluetoothのフットスイッチに対応しているため、先生は手を使わずに足元でカードを送れます。治療の手を止めずに説明が進みます。
- 患者さん自身がタブレットを操作することもできます。今どこまで進んだかが自分で分かると、受け身ではなく、自分から治療に参加する気持ちが生まれます。
- 作ったカードセットは、無料のiPhoneアプリ「HDびゅあー」に転送して、ご自宅で予習することができます。当日はじめて見るのではなく、家で何度も見て慣れてから通院できます。
目指しているのは、全身麻酔やネットでの固定に頼らなくても治療ができる環境をつくることです。押さえつけて終わらせるのではなく、本人が納得して口を開けられるようにする。そのための道具です。
開発の原点
このソフトの出発点は、金子代表理事の長男が5歳のころ、虫歯の治療中に、見たことのない器具が近づいてきてパニックになってしまった経験です。
親として、開発者として、同じ思いをする子を一人でも減らしたい。その一心で、2012年に厚生労働省の「障害者自立支援機器等開発促進事業」に申請し、採択をいただきました。2014年の販売開始から、日本障害者歯科学会の総会および学術大会には毎年出展を続け、2025年で12回目を数えます。
これからも
障害福祉の現場と、歯科医療の現場。立っている場所は違っても、目の前にいるのは同じ一人の子どもです。
輝HIKARIは、これからも大学や医療機関の先生方と連携しながら、障がいのある方が安心して医療を受けられる環境づくりに取り組んでまいります。
1. 奥羽大学歯学部附属病院への訪問と島村教授との懇談
2015年9月1日、福島県郡山市にある奥羽大学歯学部附属病院を訪問し、小児歯科診療室を見学。その際、成長発育歯科講座 小児歯科学分野の島村教授と面会し、小児歯科に関する診療の課題について助言を受けました。島村教授からは、「発達障害の有無に関わらず、『はっするでんたー』の視覚支援はとても有効である」との評価を頂き、同病院の小児歯科でも子どもたちの治療に絵カードが使用されていることの説明を受けました。
2. 島村教授の紹介による学会参加
翌月の2015年10月11日には、島村教授からの紹介により、スパリゾートハワイアンズで開催された「北日本小児歯科学会と総会」に参加されています。障害者歯科向けの視覚支援機器である「はっするでんたー」が、発達に課題のある子どもも多く通院する小児歯科の分野でも大きく期待されていることを実感される機会となりました。
3. その後の訪問記録
スケジュール備忘録によると、その後も奥羽大学関連の予定が記録されており、継続的な関係があったことが伺えます。
2020年10月7日:奥羽大学への訪問記録
2025年7月10日:奥羽大学歯学部への訪問記録




