埼玉県の「障害者デジタルしごと応援事業」について埼玉県庁にて意見交換を行いました

7月27日午後、日本財団アドバイザーの山本博司氏、宮原幸世氏とともに、埼玉県庁(さいたま市浦和区)を訪問いたしました。当法人からは代表理事の金子訓隆と藤牧誠氏が同席いたしました。

埼玉県庁では、障害福祉課(新保恵子主幹、田部井瞭主査、国松広大主事)の皆様とお会いし、「障害者デジタルしごと応援事業」および障がい者の工賃向上・就労支援に向けた「行政文書デジタル化事業」について、以下の2つの補助金事業の進捗状況を中心に大変有意義な意見交換を行いました。

埼玉県は、私たち特定非営利活動法人輝HIKARIが拠点を置き、日々活動を展開している大切な地元です。地元の障がい者福祉や工賃向上に向けた先進的な取り組みについて、行政の皆様と直接意見を交わし、現場の課題や今後の可能性を共有できたことは、当法人にとっても大変意義深い時間となりました。

1. 行政文書電子化モデル事業(県単独予算)

埼玉県が保有する公文書(紙文書)の電子化にあたり、障がい者就労施設(特に就労継続支援B型事業所)の工賃向上につなげるモデル事業です。作業手順や障害特性に応じた作業内容をマニュアル化し、今後他地域や他施設へ横展開することを目指しています。

  • 実施状況
    • 予算規模:マニュアル整備等として約353万円を計上。
    • 作業拠点:埼玉県総合リハビリテーションセンター(上尾市)内に作業拠点を設置。公募等で選定された4事業所が参加し、2026年7月より個人台帳等のスキャン作業を開始しています(2026年12月頃までを予定)。
    • 配備機器:ドキュメントスキャナーおよびオーバーヘッドスキャナーを各1台配備。8月からは県立図書館の図書・蔵書の電子化も一部試行予定です。
    • 運営体制:埼玉県セルプセンター協議会が事務局・事業所窓口および運営支援を担い、専門的助言として東京コロニーの協力を得て推進されています。
  • 今後の展望今年度に作業手順や課題を整理・マニュアル化し、来年度以降は福祉部の事業所台帳や県庁全体の行政文書、県立図書館の蔵書等に対象を拡大するとともに、市町村への広がりも視野に入れています。

2. 障害者就労施設生産性向上支援事業補助金(交付金/補助事業)

国の地方創生臨時交付金等を活用し、障がい者就労施設(A型・B型)の生産性向上や共同作業拠点の整備費用を補助する取り組みです。

  • 事業内容・補助内容
    • 備品設備導入:1事業者あたり上限1,000万円(補助率 10/10)
    • 共同作業拠点整備:複数事業所が共同で電子化等の作業を行う拠点整備に対し、1拠点あたり上限3,000万円(補助率 10/10)
  • 採択・採択条件の状況
    • 共同作業拠点整備として、複数の法人が連携する2拠点分の予算(計6,000万円規模)を想定し、採択・交付決定等の手続きが進められています。
    • 要件として、単一法人内に閉じず「複数法人の共同作業であること」、また「構成事業所の過半数が埼玉県知事または和光市長の指定事業者であること」などが定められています。
    • 来年度(令和9年度/2027年度)からの本格稼働に向け、今年度中に施設整備や機器(スキャナー等)の導入を完了させる計画です。

3. 今後の課題と輝HIKARIとしての思い

意見交換の中では、現場の職員や利用者の皆様がデジタル技術(IT)になじみ、スキルを高めていくための人材育成や指導者派遣プログラムの重要性についても話し合われました。また、県の補助金のみでは資金が不足するケースに対して、日本財団等による備品・設備助成や研修プログラムなどの外部連携・支援の可能性についても議論が深まりました。

地元・埼玉県において、障がいをお持ちの方々がデジタル分野で能力を発揮し、適正な工賃を得て自立していける環境が整っていくことは、私たち輝HIKARIにとっても大きな願いです。

今後も地元の福祉事業所や埼玉県、そして日本財団をはじめとする関係機関の皆様としっかり連携を図りながら、障害福祉の現場におけるデジタル化推進と工賃向上に貢献してまいります。