障害児福祉の未来を守るために―山本博司氏・LITALICO長谷川社長・亀田氏らと意見交換:中目黒

現在、国(こども家庭庁・厚生労働省)では、3年に一度の「報酬改定」に向けた議論が始まっています。昨今の急激な物価高騰により福祉現場のコスト負担は増大していますが、財務省からは予算抑制の厳しい方針が示され、現場の現実と政策の間に大きな乖離が生じています。

このような危機的状況を受け、本日夕方、中目黒にるある、株式会社LITALICO本社にて、長谷川敦弥社長、亀田シニアバイスプレジデント、山本博司氏と当団体の金子代表理事で、報酬改定に向けた重要な意見交換会を行いました。国へ強く求めていく「3つの核心的な要望事項」と私たちの決意をご報告いたします。

① インフレの実態に見合う「基本報酬の増額」

現在、3年前と比べ物価は7.7%も上昇し、家賃や建築費(見積もりが1.5倍になる例も)が高騰しています。しかし国は、6月からの新規事業所開所について基本報酬を引き下げる方針を示しています。利用者の増加は不必要な拡大ではなく「潜在的なニーズに応じた結果」です。単発の補助金ではなく、根幹である「基本報酬の増額」について意見交換しました。

② 「専門的支援実施加算」の上限回数の撤廃

リハビリ専門職による丁寧な個別療育(加算制度)に対し、現在は月の利用日数に応じて回数制限がある不自然な上限(キャップ)がかけられています。発語や感覚統合など高頻度で行うべき療育において制限は合理的ではなく、月の前半に実施が偏る本末転倒な運用も起きています。ニーズに応じ柔軟に個別療育が提供できるよう、上限回数の撤廃について意見交換しました。また専門的実施加算の増額や、専門職配置加算の増額も求め、リハビリ専門職が障害福祉施設で働きやすい環境構築ができるよう要望してまいります。

③ 「保育所等訪問支援」の回数制限を「週1回」へ

専門スタッフが保育園や学校に出向く訪問支援はインクルーシブ教育に不可欠ですが、国のガイドラインの「原則月2回」という文言により、自治体の約9割がこれ以上の支給決定がされていない現状があります。2週間に1回のスポット支援に終わらせないため、通所同様に少なくとも「週1回(月4回)」は標準訪問できるよう基準の見直しについて意見交換しました。

■ 組織的な危機と、輝HIKARIの決意

なぜ児童分野(放デイ・児発)がマイナス改定のやり玉に挙がるのか。背景には、現場の実態を国へロジカルに主張できる「強力な全国規模の業界団体」が不在であること、そして現場の理解者であった国会議員(山本博司前参議院議員のような)の先生方の相次ぐご勇退による孤立があります。

この危機に対し、全国の事業者と連携して「現場の声を直接国に届けるための、新たな連絡網」の構築を視野に入れていきたいと思います。LITALICOの顧問でもある山本博司氏の強力なパイプを通じ、与党の有力議員や行政の担当者と、公式な政策提言ルートを再構築していきたいと考えています。

また、成人後の「就労」も見据え、日本財団と連携した「障害者デジタルしごと応援事業」(工賃を10万円近くに引き上げる革新モデル)や、移行支援における在宅訓練のなど、一生涯を通じた切れ目のない支援の環境づくりにも全力を尽くします 。

12月の基本方針決定に向け、私たちは最前線で声を上げてまいりたいと思います。