「デジタル人材育成および福祉分野のDX推進」に関する意見交換:永田町

11月4日午前、山本博司 前参議院議員、原田大二郎 参議院議員とともに、輝HIKARIの金子代表理事は経済産業省(商務情報政策局 情報経済課 情報技術利用促進室/デジタル人材政策室)の担当官と、国内におけるIT・デジタル人材の育成・確保および福祉分野のDX推進に関する懇談を行いました。

「デジタル人材育成および福祉分野のDX推進」に関する意見交換:永田町

1. 経済産業省からの施策説明 冒頭、経済産業省より、日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)およびAX(AIトランスフォーメーション)推進の現状と、デジタル人材育成施策について説明を受けました。 国全体の推計として、人口減少が進むなか、2040年までに「AI・ロボット利活用人材」が約340万人不足すると予測されています。これに対し経済産業省では、以下の3本柱を中心に施策を展開しています。

  • スキルの可視化:「デジタルスキル標準(DSS)」の策定・改訂による、企業が求める人材像や個人が学ぶべきスキルの体系化
  • 学習と実践の場の提供:民間の優良講座を集約したポータルサイト「マナビDX」の運営(厚生労働省の給付金・助成金とも連携)や、地域の中小企業の課題解決にチームで取り組む実践型プログラム「マナビDXクエスト」の実施
  • 能力評価の見直し:AI時代に対応した国家試験「情報処理技術者試験」の再編(2027年度開始予定)および、個人のスキルや学習歴を証明・可視化し求人マッチング等につなげる「デジタル人材スキルプラットフォーム」の構築(2027年秋頃より順次開始予定)

また、政府のリスキリング推進においては、成長戦略分野だけでなく、医療・介護・福祉などの「エッセンシャルサービス分野」も重点対象として位置づけられていることが共有されました。

2. 当法人からの問題提起と意見交換 システムエンジニアとしての実務経験を持ち、現在は障害福祉の現場を運営する立場から、金子代表理事より以下の3点について現場の課題と提言をお伝えしました。

  • 福祉・介護業界におけるIT化の遅れとリスキリング支援の必要性 福祉の現場では、いまだに計画書の手書き作成やアナログなパスワード管理が残るなど、IT化・DXが大きく立ち遅れています。厚生労働省の報酬改定等でICT利活用への加算が進む一方、小規模な事業所では「何からどう教えればよいのか」「導入や教育にどの程度のコストがかかるのか」を知る術がないのが実情です。国の「IT導入補助金」などの有益な制度が福祉業界にも広く届くよう、業界団体等を通じた周知と支援の掘り下げを求めました。
  • 中小IT企業・個人事業主のスキル可視化による企業間連携 地域の中小IT企業や個人事業主が集まる勉強会(たちかわIT交流会など)において、互いの具体的なスキルレベルが見えづらいために業務の発注や連携に踏み切れないという課題があります。国が構築を進める「デジタル人材スキルプラットフォーム」等を通じて個人のスキルや学習歴が可視化されれば、直接雇用せずともプロジェクト単位で最適なチームを組む「企業間連携」が加速し、人材不足の解消につながることをお伝えしました。
  • 生成AI普及に伴うサイバーセキュリティ対策の強化 生成AIの急速な普及に伴い、海外製のサードパーティー製拡張機能やスキルコマンドを安易に導入することによる情報漏洩リスクが高まっており、現場レベルでのサイバーセキュリティ意識とスキルの向上が急務であることを指摘しました。

3. 今後の展望 今回の意見交換を通じ、国のデジタル人材育成施策や助成制度を、地域の中小企業や福祉の現場へといかに橋渡ししていくかという重要な視点が共有されました。今後は、地域IT交流会での経済産業省による勉強会の開催や、議員連盟・国会での議論を通じた福祉DXの推進など、具体的な連携アクションを進めてまいります。

特定非営利活動法人 輝HIKARIは、今後も「福祉×IT・デジタル」の視点から、現場の課題解決と支援の質の向上に向け、関係省庁や自治体、民間企業との連携を深めてまいります。