年金の紙の届書に、障害のある方の仕事はあるか?「障害者デジタルしごと応援事業」省庁ヒアリング:永田町

10月1日の午後、参議院議員会館の原田大二郎事務所で、厚生労働省年金局と日本年金機構の皆さんからお話を伺いました。日本財団アドバイザーの山本博司前参議院議員、原田大二郎参議院議員、梅津秘書とご一緒しました。

日本財団の「障害者デジタルしごと応援事業」では、国立国会図書館の蔵書をデジタル化する仕事を、障害のある方々が担っています。同じ形を他の省庁にも広げられないか。国立国会図書館、国立公文書館、環境省、NHK、国税庁に続き、今回が6回目のヒアリングです。

私が知りたかったのは一点です。年金の現場に、障害のある方が入れる余地はあるのか。

年金の紙の届書に、障害のある方の仕事はあるか?「障害者デジタルしごと応援事業」省庁ヒアリング:永田町

年金機構は平成29年1月に経過管理システムを導入しました。紙で届いた届書をスキャンし、内容を人の手で入力し、審査から決裁までをシステム上で進めます。スキャンした画像が正本になり、紙は3年保存した後に廃棄します。スキャンと入力は全国15か所の事務センターが、それぞれ業者に一括で委託しています。作業場所は機構が用意した建物の中に限られます。年金記録問題の教訓から、個人情報を機構の管理下に置くためです。

国会図書館との違いも、率直に指摘されました。届書の向こうには、処理を待つお客様がいます。資格取得届は数日で処理する目標があり、4月から6月には届書が一気に増えます。繁忙期に人を増やせない委託先には任せられない、というのが機構の考えです。

もっともな指摘です。一方で、打ち手はあります。職員が同行して委託元の現場で働く施設外就労は、すでに福岡で実績があります。汚れを拭く、紙をそろえる、スキャンする、入力する。工程を分ければ、知的障害の方にも精神障害の方にも、それぞれ力を出せる持ち場ができます。既存の委託業者のチームに加わる形も考えられます。

なぜ、この仕事にこだわるのか。就労継続支援B型の工賃は、月1万5千円から2万円ほどです。障害年金2級と合わせても、生活保護の水準に届きません。働くより保護を受けたほうが暮らせる。この設計のままでは、働く意欲は育ちません。デジタル化の仕事で月8万円ほどの収入になれば、年金と合わせて自分の稼ぎで暮らす道が開けます。息子の将来を考えてきた父親として、ここは譲れない点です。

もう一つの論点は、平成29年より前の紙の届書です。機構はこれを150年保管するルールにしており、外部倉庫の文書は今も増えています。電子化は過去に費用を試算し、膨大だとして見送ったそうです。次に検討する時期は決まっていません。ただ、こちらは急ぎの処理ではありません。予算と国の方針がそろえば、障害のある方が腰を据えて取り組める仕事になります。

委託費用の規模と届書の実物サンプルは、持ち帰って回答をいただくことになりました。実物を見なければ、作業量も単価も見積もれません。まず現物を確かめ、そこから提案を組み立てます。

対応いただいた年金局、日本年金機構の皆さん、ありがとうございました。