日本財団主催「第4回 知的障害者インクルージョン実践セミナー2026」に参加しました

8月19日(水)午後、港区の笹川平和財団ビル国際会議場にて開催された、日本財団主催の「第4回 知的障害者インクルージョン実践セミナー2026」に、山本博司氏(日本財団アドバイザー)と参加してまいりました。

今回のテーマは「障害者グループホームのあり方について ~海外の実践に学ぶ、支援の考え方と手法~」です。

2022年に国連障害者権利委員会から日本へ出された厳しい勧告を受け、「知的障害のある方が地域で当たり前に暮らす社会」をどう実現していくかが問われている今、輝HIKARIとしても「暮らしの場」のあり方は非常に重要な課題として捉えています。

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日本財団・箕輪チームリーダーからのご挨拶で開会し、基調講演ではニュージーランド最大かつ最も歴史のある知的障害者支援団体「IHC New Zealand」のチーフエグゼクティブであるアンドリュー・クリスプ氏が登壇されました。クリスプ氏は行政での豊富なご経験もお持ちで、「ニュージーランドにおけるグループホームの実践と課題」と題し、大規模入所施設から地域生活への移行によってご本人の暮らしがどう変化したのか、重度の方の地域生活をどう支えているのか等、先進的な事例を大変わかりやすくお話しいただきました。

続くパネルディスカッションでは、「グループホームは理想の暮らしを実現できるか ~親なきあと・脱施設化時代の住まいを考える~」をテーマに、熱心な議論が交わされました。

登壇されたのは、クリスプ氏をはじめ、元厚生労働省 障害者雇用対策課長の小野寺徳子氏、日本社会事業大学客員教授の曽根直樹氏、社会福祉法人南高愛隣会 常務理事の松村直美氏という、各分野の第一線で活躍されている皆様です。

議論の中では、重度・医療的ケアへの対応や利用者の高齢化、さらには現場の大きな課題である人材不足と育成、専門性の向上について意見が交わされました。また、ICTやアプリの活用に関する話題も挙がり、当法人が日頃から注力している福祉現場へのIT技術導入の重要性を改めて再認識する機会となりました。

会場では、全国から集まった多くの皆様と交流を深めることができました。

日頃から親交があり、障害福祉政策に尽力されている山本博司氏をはじめ、講師の曽根直樹教授や小野寺徳子氏、そして同じく現場で実践を重ねるNPO法人クロスジョブの濱田和秀代表理事、社会福祉法人埼玉福祉事業協会の髙橋清子理事長、ぜんち共済(株)の榎本重秋社長や園部博正取締役部長、目黒区や江戸川区の手をつなぐ親の会の会長の皆様とも記念撮影をご一緒し、大変有意義な情報交換の時間を共有させていただきました。

今回のセミナーで得た海外の先進的な知見や、全国の有識者・実践者の皆様からの刺激を、輝HIKARIが目指す「利用者本人の意思を尊重した地域生活の実現」に向けた日々の支援や、さらなるサービス向上へとしっかりと還元してまいります。


パネルディスカッションの要約

【主な議論のポイント】

  • 日NZの共通課題知的障害者の人口割合、深刻な福祉人材の不足と待遇(人件費)の問題、そして当事者の「意思決定支援」の重要性など、日本とNZが直面している課題は非常に似ていることが確認されました。
  • 地域移行と「支援の質」の重要性入所施設から地域社会(グループホーム等)への移行は事故などの不安が伴うものの、実際には地域の方が社会資源が多く安全性が高いことが指摘されました。また、設備が豪華な「高級グループホーム」の是非について、建物の立派さよりも、本人の権利が守られ幸せを感じられる「支援の質(人との関わりや中の営み)」こそが重要であると強調されました。
  • 虐待防止と当事者主体の仕組み過去の施設虐待の反省から、当事者の声を直接すくい上げる独立したピアサポート体制(NZの「People For Us」など)や、運営に第三者の目を入れることの重要性が共有されました。
  • 人材育成と現場の負担軽減現場職員の疲弊を防ぐため、ICT(ケア記録アプリなど)を活用した業務効率化や、会議で「利用者に関する小さな良い気づき」を共有して褒め合うことで、組織風土をポジティブに変える日本の実践例が紹介されました。
  • 今後の展望と「理想のグループホーム」国連の勧告においてグループホームも「施設的」とみなされる議論がある中、NZでもさらなる地域での自立生活に向けたモデルが模索されています。最後に「理想のグループホームとは何か」という問いに対し、登壇者から「地域にあるごく普通の家であること」「ライフステージに合わせて、住みたい時に、住みたい場所で、住みたい人と暮らせる選択肢があること」という共通のビジョンが示され、セッションが締めくくられました。