脱福祉型就労の先進地「デジタルラボえどがわ」を視察:さいたま市・目黒区での展開を見据えて

11日午前、日本財団のアドバイザーを務める山本博司氏とともに、江戸川区の「デジタルラボえどがわ」を視察いたしました。当日は、公明党目黒区議会議員の皆様、障害者団体の皆様、そして小野寺徳子氏(元厚労省障害雇用対策課長・元福岡県労働局長)とともに現地を訪れ、NPO法人輝HIKARIからも金子代表理事と大谷理事が同席いたしました。

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「デジタルラボえどがわ」は、日本財団の助成(建物やスキャナー等の機器整備費を100%補助、今回約2億数千万円)を受け、本年4月に開所した日本でも先駆的な「脱福祉型就労施設」です。江戸川区内を中心に障害者の就労支援等を行う「特定非営利活動法人 自立支援センターむく」様が整備・運営を担っておられます。なお、本施設については、5月11日に公明党の竹谷としこ代表らとも視察に来ています。

「障害者デジタルしごと応援事業」視察報告~就労困難者の新たな可能性を見つめて~:江戸川区

5月11日、公明党・竹谷としこ党代表をはじめ、川村雄大・原田大二郎両参議院議員、竹平智春東京都議、その他江戸川区議会議員4名、そして日本財団アドバイザーの山本博司…

現地では、最初にNPO法人自立支援センターむくの伊東美奈子理事長よりご挨拶をいただいた後、鈴木誠副理事長から施設の概要について詳しくご説明を伺いました。

現在は就労継続支援B型事業所として運営されており、10名の利用者の皆様が従事されていますが、来年度からは自立支援センターむくの職員として直接雇用される予定とのことです。脱施設化に向けた、非常に素晴らしいお取り組みだと実感いたしました。

説明の後、館内を見学させていただきました。現場では、江戸川区から受託した行政文書等のデジタル化作業が行われており、障害のある方々が専用のユニホームを着用し、生き生きと誇りを持って働かれている姿が大変印象的でした。これまでの一般的な軽作業や内職による月2万円弱の工賃から大幅に収入が向上し、来年度からの雇用化へと繋がることで、利用者ご本人やご家族からも大変喜ばれているとのことです。

また、財政的・経済的な観点からも大きな意義があります。現在B型事業所の場合、社会保障費(訓練給付費)として平均月15万円、定員20人の場合は月300万円、年間3,600万円もの税金が投じられています。これが雇用に移行することで給付費がゼロとなり、しっかりと給与を得ることで生活保護受給の方なども自立が可能となります。国や自治体の経済的負担が大きく軽減されるモデルとなっています。

同施設は本年度、江戸川区から4,200万円規模のデジタル化事業(納税業務・障害福祉・土木図面等)を受注しており、令和9年度からは国立国会図書館の蔵書デジタル化もスタートする予定とのことです。障がいのある方々が一般企業や事業所と同様に雇用され、社会に貢献し活躍するロールモデルとして、この取り組みが全国へと広がっていくことを強く期待しております。

今回の視察を通じ、目黒区における受け皿となる障がい者施設やデジタル拠点のあり方、進めるべき行政文書のデジタル化などについて、さいたま市においても同様に検討を進めてまいりたいと感じました。公明党のネットワークによる県・市・区の連携も得ながら、障がい者のデジタル雇用推進に向けて私たち輝HIKARIとしても全力で応援してまいります。

最後は参加者全員で記念撮影を行い、有意義な視察を終えました。ご対応いただきました関係者の皆様、誠にありがとうございました。

デジタルラボえどがわ | 自立支援センターむく

自立支援センターむくは、全ての障害者に対し、障害者が地域で自立した生活をするための自立生活支援に関する事業を行い、広く社会福祉に寄与することを目的として活動し…

【特定非営利活動法人 自立支援センターむく】
理事長 伊東 美奈子、副理事長 鈴木 誠、副理事長 小林 理恵、理事 根本 佐和子、事務局 野村 麻奈美、施設長 東梅 真由香
【江戸川区福祉部障害者福祉課】
障害者福祉課長 上坂 かおり、就労サポート係長 加藤 豊久
【日本財団】
公益事業部 アドバイザー山本博司
【目黒区】
(公明党目黒区議会議員)
・武藤まさひろ・関賢一・佐藤ゆたか・浜ようこ
(障害福祉部)
・目黒区健康福祉部 障害施策推進課 櫻庭加奈子課長
(目黒区障害者団体)
目黒区障害者団体懇話会 渥美昭美会長、NPO法人フォードコミュニティ目黒 吉塚晋施設長
(埼玉県)
・小野寺徳子氏(元厚労省障害雇用対策課長、元福岡県労働局長)
・NPO法人輝HIKARI 金子訓隆代表理事・大谷貴志理事



以下は、視察後参加者からの質疑応答の内容です。

主な質疑応答

  • 納期と行政の予算について
    • 行政文書のスキャンは年度末までの納期を基本としており、倉庫に眠っていた書類のデジタル化によって区職員の負担軽減や庁内の働き方改革、新庁舎移転への準備も兼ねています。
    • 区側は障害者に新たな仕事の機会を提供することに前向きであり、既存の民間仕事を奪わない範囲で福祉的な就労機会を創出しています。
  • ミスへの対応と個人情報・セキュリティ管理
    • スキャン後の原本照合やダブルチェックを行っており、紙媒体のためミスがあっても再度やり直せる点が魅力とされています。
    • 個人情報やセキュリティの取扱いは、利用者および職員双方から誓約書を取得し、情報セキュリティマニュアルや特約条項を設けて民間企業と同等の水準で厳格に運用されています。
  • 職員および家族の意識改革と課題
    • 業務や機材の変更に対する職員の戸惑いや不安はまだ途上であるものの、他所への視察や職員自らが実際に作業を試すことで一緒に取り組む姿勢を示しています。
    • B型事業所から一般就労へ移行する際、福祉サービスの制限や生活保護受給に伴う収入・就労時間の調整など、当事者や家族が直面する現実的なハードルと見極めの難しさが共有されました。
  • 今後の展望と国の動向
    • 国立国会図書館のデジタル化予算が大幅に増加する見込みであり、国全体でデジタル化や障害者雇用の動きがさらに推進される方針が示されました。